快晴（ut） ページ4
青い空には雲一つ浮かんでいない。今日は快晴か、と空を見上げて鬱は思う。喫煙所は嫌煙家達のせいで外に作られており、タバコを吸う為には日光に浴びないといけない。名前の通り鬱気分だった鬱は憎いぐらいの快晴を見て煙と共に深い溜息を吐き出した。
「大先生？」
そんな暗いオーラを纏った鬱に聞こえた声は軍には珍しいソプラノの声。恐る恐るといった風な声の掛け方をする人物はこの軍には一人しかいない。そちらに目を向けて笑顔を作る。
「Aちゃんやん。どないしたん？」
あぁ、辛いなぁ。普段なら女の子が声をかけてくれたら最高に嬉しいはずなのに。
「姿が見えたので挨拶しようと思いまして」
「わざわざありがとなぁ。」
礼儀正しいAに対して、今は無視してくれててもいいのにとしか思えない。
「では。私はこれで失礼します」
ぺこりと礼をしてその場から去ったAの姿を目だけで見送る。空気読んだんかなぁ、いい子やなぁと鬱は思う。また一人になればグルグルと頭の中で重っ苦しいことを考える。
「大先生！」
一人になったと思えば去ったはずのAが鬱の腕を軽く握っていた。
「ごめんなさい。大先生が一人になりたそうだなって思っているのは分かっていたんですけど…ひとらんさんが畑で焼き芋するそうなんです。こんなに天気もいいですし、一緒に行きませんか？」
そう尋ねる彼女だが鬱が首を立てに振るまで動かない雰囲気が出ている。
「いいよ、俺仕事残っとるし」
「…私が大先生と食べたいって言ったらイヤ、ですか…？」
あぁ、ずるい言い方をする。
「嫌なわけちゃうよ」
鬱の言葉にふにゃりと表情を崩して笑う。たくさんの女を見てきた鬱だがその表情には胸が高鳴る。
鬱の手を引き、人の良さそうな平和しか知らない純粋な表情のA。鬱が邪な気持ちを抱いているなど知らないのだろう。警戒心がなさ過ぎる。
鬱は繋がれた手に力を入れて彼女を引き寄せる。
「えっ」
簡単に腕の中に収まったAは唖然としていて何が起こったか理解していないようだった。そんなAを見てると自然と笑顔になってしまう。彼女の綺麗な黒髪を耳にかけてやり、露わになった耳に直接「簡単に男と手を繋いだりしたらあかんで」と言ってやった。
少し距離を離して彼女の顔を見れば、金魚のように真っ赤にし口を開け閉めしている彼女が目に入る。
「大先生の分、私が食べちゃいますからね…！」
彼女の言葉に、にやけてしまったのも無理もないだろう。
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🍞 - ご、語彙力が爆発してる、、すごすぎんか？ (9月24日 22時) (
レス) @page42 id: 42c1ea8f94 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんいつもありがとうございます…！番外編まで読んでくださって感謝しかありません…！また他作品は更新していくつもりですので今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月14日 20時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 完結おめでとうございます！本編のほうも、番外編のほうも、鳩山さんの素晴らしい文章に引き込まれ、読んでいて幸せな気分になれました。これからも鳩山さんの作品を読み続けさせてください…！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - メオさん» コメントありがとうございます！告白までしていただいて嬉しいです！これからものんびり更新だと思いますがよろしくお願いします…！ (2019年11月12日 19時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
メオ - うん、好きだ(確信)ありがとう(嬉し泣き)頑張ってくださいね！！ (2019年11月12日 14時) (レス) id: 8aa2d098f2 (このIDを非表示/違反報告)
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