＊ラナンキュラス ページ6
「やっぱり…ここはあのグルッペンの組織だったのね」
薄く笑った鬱を見たAは小さな声で呟くと凛とした態度を崩してガサツにソファに座った。
「何よ。それなら初めから言ってよね。ニコニコ笑って損したじゃない」
態度の変わりようにシャオロンとコネシマが驚く。
「さっきから見過ぎだから。訴えるわよ？」
「随分とじゃじゃ馬なお嬢さんやなぁ！！」
コネシマの面白レーザーにひっかったのだろう。コネシマがキラキラした空色の瞳でAを見つめて笑い出す。
「じゃじゃ馬でもなんでもいいよ。ねえ、ドレスきついから脱いでいい？」
「いや、お前脱いだら帰れんやろ。うちは軍やねんから侍女とか居らんぞ」
「……じゃあいいや。用件だけ伝えて帰るつもりだし」
少し不機嫌なAに鬱は苦笑する。
「シャルル家のご令嬢がこんな軍に一体何の用か気になるところではあるな」
「確かに。てか、何度見てもこんな美人が大先生の妹とは思えへんのやけど…」
「どうも。兄さんが母親の胎盤に残したものを私が全部取ってきたからね。」
「間違いないなぁ！！」
「それは言えとる！残念やったな！大先生！」
「うっさいわ！」
一通り笑った後、Aは出された紅茶を一口飲み、本題に入った。
「で、本題なんだけどさこれ。」
鬱に手渡されたのは、高級そうな封筒。
「え、この印章って」
「β国の王家のものやな」
鬱の封筒を覗き込みシャオロンとコネシマが驚いたように声を出した。封を開放し、中身を取り出すとそこには結婚式の招待状が入っていた。
「アントワーヌ・ロア シャルル・A…？」
「β国の王族と、」
「Aが」
「結婚？」
三人がええ！？と大きな声をあげるのでAは耳を塞ぐ。何でだと詰め寄る鬱の手を叩いてはぁ、と深く溜息をついた。
「両親のせいよ。勝手に私の写真を送ったの。向こうは一目惚れらしいわ。」
「お前ってやつは…」
「なに？」
「一生養ってください！お願いします！」
兄としてのプライドはない。妹相手に土下座する鬱を見てコネシマの腹が捩れたのは言うまでもない。
「人の話は最後まで聞いて！」
「ずみまぜんでしだ。」
土下座をやめない鬱を殴ったAは汚いものでも触ったようにハンカチを使って、手を拭く。
「あのね。戦争屋に今回は依頼があってきたの」
「依頼？」
「この結婚式をぶっ壊してほしいの。なんならβ国を滅ぼしてほしい。」
ラピスラズリの瞳は楽しそうに歪められた。
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鳩山(プロフ) - ろわ。さん» コメントありがとうございます…！拙い文章でしたが楽しんでもらえたなら幸いです。嬉しいお言葉本当にありがとうございます…！ (2019年11月27日 21時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ろわ。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後の結婚式のシーンでは私までut先生みたいになりました...。とても素敵な作品をありがとうございました。 (2019年11月22日 2時) (レス) id: a9da82584b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ロアさん» ロアさん！コメントありがとうございます！労いのお言葉まで…！最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 13時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 完結おめでとうございます！！( ；∀；)お疲れさまでした (2019年11月21日 8時) (レス) id: 148e7f1d83 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ウルさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉、そして完結まで読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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