＊ポインセチア ページ4
鬱・コネシマ・シャオロンが談話室で騒いでいる同時刻ｰｰｰ
門前で、門番は一人の女と揉めていた。
「ですので、シャルル・ウツーにAが来たと言ってもらえればいいのです。」
「鬱大佐からはまだ返事がない。ここを通す訳にはいかない」
我々軍の門番は目の前で騒ぎ立てる女に同情した。門番として長いことやっているが月に一度ほどこうして鬱を求めて女がやってくるのだ。
そしてここへ来た女に鬱がきちんとした態度を取ったことは一度もない。毎度女は鬱に会うことも叶わず泣きながら帰る羽目になるのだ。
ついこの間来た女は、素朴な町娘であったが今目の前にいる女は身なりからして随分と地位が高そうだ。
ペチコートを用いた裾を広げたドレス、煌びやかな宝石のついたネックレス。藍色の髪は綺麗にまとめられている。
貴族のご令嬢に手を出すとは…と上官である鬱に対し不信感を出すものの門番はきっちりと自身の業務を務める。
「いつまでたってもシャルル・ウツーがダメなのでしたら、グルッペン・フューラーに連絡してもらえないでしょうか？」
そして門番は貴族の女から出た言葉に目を丸くした。この組織のトップに合わせろだと？何を言っているんだ。と。
門番の中でやばい奴認定された女の背中を押し「お帰りください」と声をかける。女は理解できないと表情を暗くして抵抗する。
「何ででしょうか？私も緊急事態でして、今更引き下がれる問題ではないのです」
「おい！その女性に何をしているんだ！鬱大佐の客人だぞ！」
門番が女を押しているところを、一等兵が怒鳴って止める。思わず体を震わせた女に一等兵は謝罪をして丁寧に挨拶をした。
「乱暴にしてしまい申し訳ありませんでした。談話室で鬱大佐がお待ちしておりますのでご案内します」
そして門番に向けて一言。
「鬱大佐の許可が出た。後は俺がお連れする。」
「本当に許可が？」
「ああ。これで鬱大佐の女癖の悪さも解決するといいが…」
二人は今から行われるであろう行為から、女へ同情の眼差しを向ける。女はその話が聞こえていたのだろう。藍色の瞳を緩めて口角を上げる。軽く手を口の前に置き、「彼の女癖の悪さなどよく存じております」と口にした。
「うふふ。門番さんすみません。私はシャルル・A。その鬱大佐の妹ですの…」
女の一言に門番だけでなく一等兵も言葉を無くした。
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鳩山(プロフ) - ろわ。さん» コメントありがとうございます…！拙い文章でしたが楽しんでもらえたなら幸いです。嬉しいお言葉本当にありがとうございます…！ (2019年11月27日 21時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ろわ。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後の結婚式のシーンでは私までut先生みたいになりました...。とても素敵な作品をありがとうございました。 (2019年11月22日 2時) (レス) id: a9da82584b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ロアさん» ロアさん！コメントありがとうございます！労いのお言葉まで…！最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 13時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 完結おめでとうございます！！( ；∀；)お疲れさまでした (2019年11月21日 8時) (レス) id: 148e7f1d83 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ウルさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉、そして完結まで読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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