＊マーガレット ページ22
「待たせたな〜」
「わぁ…とても綺麗な馬ね！」
Aはゾムが乗馬していた馬へ視線を向ける。真っ白で凛々しく立つその姿は綺麗以外に言葉にならない。馬は訓練されなければ人を乗せるどころか、怖がり近くこともままならないものが多い。しかし真っ白な馬はAが手を近づけると怖がるどころが自らたてがみを触れるように首を動かす。
「すごくいい子」
「せやろ？外道丸って言うねん。」
「外道丸…すごくいい名前ね。」
バゥと馬が鼻を鳴らす。まるで話が分かるように賢い外道丸に笑顔を向けるAに何も言わずゾムは彼女を見つめていた。
「賢いし、かっこいいし…貴方の飼い主はとっても素敵なんでしょうね。ゾムさんがこの子の飼い主？」
「いや、俺やないで。ひとらんって言って軍人なのに畑と動物を愛する変わった奴やねん」
「そうなのね！ひとらんさんには是非お会いしたいわ。ここまで素敵な子を育てられるのは本当にすごいことだもの」
ゾムはAの口から違う男の名前が出たことに違和感を感じる。しかしそれが何なのかまだ理解することは出来なかった。
「はよ、乗りや。その調子やと日が暮れるで」
「乗るって…え？」
「俺の前。さすがにひとらんも遊びのために馬を二頭も貸してくれんかったんよ。」
そう言って手を差し出すゾム。Aは一瞬迷ったが彼の手を借りて乗馬した。
すぐ後ろにはゾムがいて彼の息が肩にあたるので無性に恥ずかしくなる。
「ちゃーんと口は閉じてな。舌噛むとあかんから」
耳元で彼の声がして、いたたまれない。しかしそんなAに対しゾムは後ろから抱きしめる形となっても照れた素振りさえ見せなかった。
「そんな飛ばさなくていいから安全運転でお願いね」
「え〜飛ばした方が楽しいやん！」
「外道丸が疲れるでしょ！ね、外道丸」
「ヒヒーン」
「外道丸は飛ばしたいってよ」
「違うわよ、これはゆっくり行くって言ってるの！」
自分の背で喧嘩するゾムとAに呆れたように鼻を鳴らして外道丸は駆け出した。スピードとしては速くも遅くもないペースで。
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鳩山(プロフ) - ろわ。さん» コメントありがとうございます…！拙い文章でしたが楽しんでもらえたなら幸いです。嬉しいお言葉本当にありがとうございます…！ (2019年11月27日 21時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ろわ。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後の結婚式のシーンでは私までut先生みたいになりました...。とても素敵な作品をありがとうございました。 (2019年11月22日 2時) (レス) id: a9da82584b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ロアさん» ロアさん！コメントありがとうございます！労いのお言葉まで…！最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 13時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 完結おめでとうございます！！( ；∀；)お疲れさまでした (2019年11月21日 8時) (レス) id: 148e7f1d83 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ウルさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉、そして完結まで読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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