対戦 ページ37
最初に持っていた斧はコネシマの剣を弾き飛ばしたがいいものの、その後しばらくの交戦の末持ち手が折られてしまっていた。
全く、この男の身体は一体何で出来ているのか。
ショッピは笑えない冗談だ、と内心冷や汗をかいていた。
(せっかく一発食らわせられたのに)
やはりこの任務は自分には不向きだったか。
相手が強すぎた。
暗殺対象の側近なんて、ただの雑魚だと思っていたのが恥ずかしい。
「おう、立てや。まだ死んだ目しとらんやろ」
片膝をついて痛む脇腹に手を置いたショッピの前に、コネシマが立ってこちらを見下ろしている。
彼の後ろに差す月光のせいで、こちらからはその表情は真っ暗で見えなかったが、確かにさっきよりも強い殺意でこちらを睨んでいたのは分かっていた。
「お前がどこの国のもんかなんてどうでもええねん。
あいつを守るのが俺の役目で、お前はその駆逐対象なんや。
さっさと始末せんとあいつの不安が消えないねん」
「随分と……肩入れしてるんすね……」
汗を垂らして、余裕ぶりも出来ているか分からない表情でショッピは言った。
対してコネシマは全く表情を変えない。
「俺は側近や。側近って言うのは付き人とは違う。
俺はあいつを守るっちゅう仕事がある」
――側近っていうのは、必ず守れるからその位置につく。
だから、守れなかったら意味がないねん。
「ま、お前にはもう関係ないんやけどな」
コネシマの手が伸びた。
胸ぐらを掴まれる、と予知したショッピの脳にこの後の未来が浮かぶ。
殺処分か、拷問か、どっちにしても無事ではない。
だが、先ほどの肘の攻撃がかなり重かったらしく延長戦はできそうになかった。
(あ、終わる)
そう思ったショッピは瞬きも出来ずにこちらに伸びる手を眺めていた。
だが、そのときだった。
「させるかぁ！」
コネシマでもショッピでもない声が上から聞こえた。
切羽詰まったような声にすぐに反応して２人が空、詳しく言えば城を囲む城壁を見上げた。
「おらぁコネシマァ！ 次は俺が相手してやる！」
「……だれやお前」
「ヒッ……！ お、俺はΑ国幹部の期待の新人！
チーノや！ よう覚えとけハゲ！」
「……チーノさん、何してはるんですか……」
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作者名：軍パロを愛する連合軍
x他11人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年6月1日 12時
