【d!】アキレアの祝福を【企画】 (ページ17)

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愛を囁くには gr （シー）ページ17

gr「なんのために軍に入る？」

『家族と友人のため。』

そう答えた入隊試験から早5年。戦場に立つ彼女は空を一瞥する。

『見ててください。総統閣下。』

誰にも聞こえない声で呟く。

『国と…総統閣下の為に戦います。』

5年前

彼女、Aは士官学校を無事卒業し入隊試験を受けに行く事になった。

国によって軍に所属するための方法は色々あると思うがこの国は軍のレベルを常に高くするために士官学校へ入学してから軍に所属しなければならない。

だが士官学校に入れば安心という訳ではなく卒業後もう一度幹部たちによって知能、技術共に試験を受け、更にそこから面接という流れになっている。この流れの間にふるいにかけられるのだ。

技術があっても知能が足りないもの。知能があっても技術が足りないもの。そして目上の人を目の前にしてオドオドせず、されどはっきりしすぎてもならない。そんな難しい試験と言われている。

Aは自身に向けられる視線を鬱陶しく感じていた。

元々少ない女性軍人。しかも士官学校では常に成績上位にいたAは目立っていた。

Aの父は軍人だった。昔から

「家族のために」

と言って軍に務めていた彼は日々1兵士として朝早くから夜遅くまで仕事をし、時には何ヶ月も戦場に出たりしていた。そして彼は昇格した。

特殊作戦部隊PDT

一言で言えば総統閣下直属の独立した部隊だ。彼によって動かされる部隊。彼しか動かせない部隊。戦場に出たりスパイ活動をしたりと色々する何でも屋みたいな物だ。Aの父がその部隊に入って暫くすると彼は「家族のために」と言う言葉と共に「総統閣下のために」と口にするようになった。そして部隊に入って2年、彼は死んだ。

Aはどうしても自身の父があんなにも家族のことしか考えていなかったのに最後にはこの国のトップのためだと言った理由を知りたかった。