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金曜日の今日は、テスト前最後の授業日ということで、一日中自習だった。みんな勉強しすぎて疲れてしまっていたようだが、私は業後も学校に残って勉強していた。先生に質問したかったしね。
しかし、あまり遅くなると暗くなってしまうため、今日は早めに切り上げて帰ることにした。明日明後日の土日も勉強に充てれるし、もう充分だろう。
(それに、あまりやりすぎるとまた体調崩して、緑間くんに怒られそうだし)
日の入りまでまだちょっと時間はあるはずだが、辺りは暗くなっており、少し見えづらい。
(ん?)
しかし、そんな中でも目立つ人が、校門の前に立っていた。身長が高く、何となくオーラを感じる艶やかな黄色髪の彼は、たしかに見覚えのある人だった。
「黄瀬くん?どうして秀徳にいるの?」
気づいておきながら話しかけずにいるのは失礼だと思い、声をかける。すると彼は予想通り、私にしっかり反応してくれた。
「あ、Aっち!実は海常、今度の月曜からテストなんスけど、緑間っちにコロコロ鉛筆を借りにきて……」
暗くて顔はあまり見えないが、声のトーンから相変わらずテンションが高いのが分かった。
(そうか、海常も翌週からテストなのか。ん?てか……)
「コロコロ鉛筆?」
「あーそれはっスねー……」
黄瀬くんのいう「コロコロ鉛筆」とは、湯島天神の鉛筆を使った緑間特製のコロコロ鉛筆だとか。どうやらそれを使えば高得点間違いないらしい。
中学時代に貰ったみたいだが、無くしてしまったようで、今度のテストに向けて急遽、緑間くん本人に借りにくるために、秀徳にわざわざ来たそうだ。
「なにそれ、運任せじゃん」
別に運任せとか勘で解くのがダメとは思わないけど、最初からそれに頼るのはどうかと思ったため、ツッコミを入れる。
「だって勉強しても分かんねースもん!」
「私も別に得意なわけじゃないけど、ちゃんと努力はしてるよ」
「俺はバスケで忙しいんスよ!……ってか、Aっち、何持ってんスか?」
勉強に関することを話していたのだが、どうやら先ほど通った車のライトかなにかで、私の手にあるものが見えたらしい。
「ん、これ?今日のラッキーアイテムなんだって」
まあさすがに、モアイ像持ってたらびっくりするし、理由気になるよね。一応持ち運ぶのに障害はないほど小さいけど……。
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サブストーリー更新しました!(2022/5/30)
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ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ大好きな作品です…、嫌い者同士がいつの間にかお互いを意識し出すという私の性癖にぶっ刺さりの作品でした…。終わってしまったのが悲しいぐらい作者さんの緑間が大好きでした。素敵な作品をありがとうございました (11月9日 8時) (レス) id: da835a1297 (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福(プロフ) - 緑間よ、早よ告れ。そして鈍感にも程があるぞ。 (2022年6月11日 15時) (レス) @page35 id: a070048203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年5月25日 11時