【黒子のバスケ】占い嫌いと占い信者【緑間真太郎】 (ページ45)

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私も自身の昼食を終え、頃合いを見て体育館へ行き、こっそりとおにぎりを置いたステージに向かう。口にあったかな、と心配だったが、ステージの端には、なにも乗っていないお盆が重ねてあった。

(完食してもらえた、のかな)

正直ホッとした。しかし、この後のことを考えるとのんびりとしてはいられない。午後は写真部の仕事もあるし、夕飯も作らなきゃいけないしで、なかなかハードなのだ。そのため、私はすぐにお盆を片付けることした。

お盆を洗い、乾かす。そして、夕飯の準備のときにお米がすぐ炊けるように 2キロと、1キロ２つの洗米を用意し、冷蔵庫へ入れる。ここまでしか事前準備ができなくて不安ではあるが、仕方ない。無理に準備して、食材が傷んでも困るしね。

台所から部屋に戻り、私はカメラの入った黒い鞄を持ってすぐにまた部屋を出る。向かったのは、みんなが練習している体育館。

「あれ？」

体育館へ入ると、知らない人たちがたくさんいた。見覚えがあるといえば、なんとなくあった。脳内で誰なのかを考える。

(……高尾くんが、IH予選決勝戦で当たった誠凛高校がきてるとか言ってたっけ)

確かそうだった。なんとなく見覚えがあったのはそのせいだろう。せっかく合宿所が一緒ということで、練習試合をすることになったようだった(様子を見てて察した)。

しかし、私にはそんなことは関係ない。とにかく、一枚でも多く良い写真を撮るのが目的だからだ。先輩がSDカードをたくさんくれたため、容量は気にせず集中できる。

(よし、がんばろ)

私は練習試合の邪魔にならないよう、体育館の端にカメラを持って座ったのだった。

(やっぱ……綺麗だな)

彼がバスケをしているところを見たのは、IH予選決勝以来だった。あの日、とても感動したシュート。今日再び見ても、感心する。

(ほんと、いつもの緑間くんからは、全然想像できない……)

梨花が「緑間くんは、ギャップ萌えする！」と興奮して話していたことがあったが、なんとなく分かる気がする。見れば見るほど、吸い込まれていく感じがした。

ゲームに出ていた先輩も高尾くんも、基本がしっかりできているのか危うい場面が非常に少なく、動きが安定していた。しかし、やはり緑間くんだけは別格だ。素人でも分かる。

(って、やば！)

時計を見ると16:40。そろそろ夕飯の準備をしないと間に合わない。私は急いで片付け、台所へ向かった。