【黒子のバスケ】占い嫌いと占い信者【緑間真太郎】 (ページ40)

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軽々と頼んでくる梨花にムカついて、後半は特に溜めてキツく言ってしまった。
私の言葉を聞いて、図星をつかれたというように渋い顔をする梨花とは対照的に、意外さに驚く高尾くんとキョトンとする緑間くん。三者三様のリアクションで見ていて正直面白かった。

「でも、誰だって得意不得意はあるし、ちょっとぐらい料理が下手くそでも大丈夫だって！な、真ちゃんもそう思うよな」

「……俺も料理は得意ではないのだよ。気に病むな」

高尾くんと緑間くんが梨花にそういう。しかし、彼らは〈梨花の料理〉を知らないからそう言えるのだと思う。

「それが、高尾くん……ちょっとじゃないんだ……」

梨花は細々と俯きながらそう呟く。

「大丈夫！不味くても食うから！な？落ち込むなって！」

負けじと梨花を励ます高尾くん。私はそんな高尾くんにこう言った。

「高尾くん。ちなみに、梨花はあまりの料理の出来なさに、うちでは包丁持つの禁止されてるから」

「えっ……そんなにヤバいの？」

私の言葉を聞き、真顔になる高尾くん。緑間くんも少しだけ驚いていた。

「いやー、お母さん、怖くってさー！一回お料理したとき、めちゃくちゃ叱られちゃって……それ以来、包丁を持つことっていうか、料理のために台所に入るの自体が禁止されてて……」

高尾くんから目を逸らしながら、笑って誤魔化す梨花。たしかにあの時のお母さんの表情は、今まで見てきた中で1番の般若顔だったかも。呑気に考えていた私とは対照的に、顔が少し青くなる高尾くんと緑間くん。2人の表情を見て、私はさらにこう付け加えた。

「梨花、卵すらまともに割れないから気をつけてね。まあ大丈夫だよ。食べても記憶無くすだけだから」

「「全然大丈夫じゃないじゃん(のだよ)！！！」」

空き教室に2人の叫び声がよく響いたのだった。