【黒子のバスケ】占い嫌いと占い信者【緑間真太郎】 (ページ37)

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初日以来、特に大きな事件や事故はなく、期末テストは終わった。期末テスト終了日の翌日、土曜日の今日、私は都内某所の体育館に来ていた。

そして、今日、ここでインターハイ予選の決勝戦が行われる。バスケットボールの。私は秀徳高校写真部として、この場所に来ていた。

なんでも、秀徳の卒業アルバムに掲載される写真は、基本写真部が撮ったものになるらしい。
そして、私たち部員はそれぞれの部活動に振り分けられ、実際にその部活の大会へ行き、写真を撮ることになっていた。私は運悪く、バスケ部に割り当てられてしまったのである。

(はぁ……人、多すぎ)

しかも、会場には予想を遥かに超えるほどたくさん観客がおり、人酔いしそうだった。とはいえ、まだ予選準決勝の試合開始前である。これよりも人が増えるとか地獄すぎ。
本当は決勝戦のみでも良かったのだが、夕方に写真撮るためだけにここまでくるのも面倒だったし、少しでもいいショットを多く、と早めに来たのだ。

体育館に入り着席すると、まもなく準決勝が始まった。

「っ……」

インターハイ予選準決勝、秀徳vs銀望……試合結果に思わず息を呑んだ。

決勝戦のために温存させたのか、第１Qのみ試合に出場した、緑間くんと高尾くん。たった10分間だったが、私は彼の……緑間くんのシュートに見惚れてしまった。

日頃の鍛錬の末、培われた筋肉。美しいフォーム。人事を尽くした彼だからこそ出来るそのシュートで、寸分の狂いもなく、ボールがリングへと入っていく。
そして何より、彼のシュートは絶対に外れなかった。それが見ている人間を、さらに快感へと導く……。気に食わない相手であることを忘れ、見惚れてしまうのも無理はないだろう。

高尾くんも活躍していたが、やはり緑間くんが目を引いた。

また、彼らが控えに入った、第2Qからも秀徳のその勢いは止まることを知らず、113-38と秀徳は圧倒的な勝利を収めた。

来た時はウンザリしていたが、早めに来てよかったと心から思う。見惚れてばかりいて、写真を撮ることも忘れてしまったからだ。

(切り替えないと……！)

私は静かに自分に喝を入れ、予選決勝戦に備えた。

ーーーインハイ予選決戦が終了した。

良い写真は撮れた。しかし、この試合で秀徳は敗退した。