【黒子のバスケ】占い嫌いと占い信者【緑間真太郎】 (ページ35)

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保健室はとても涼しかった。

お姫様抱っこされてやってきた私を見て驚く先生だったが、私の顔色を見てすぐに処置を始めた。体を冷やされて、スポーツ飲料をがぶ飲みさせられた。

ある程度処置が終わり、あとは休むのみ、となった時、保健室に高尾くん、梨花、そして担任が現れた。

担任は私から事情を聞くと、早急に対処すると言ってすぐに退出した。正直私は生きてるし、どうせ彼女らとはもう二度と関わらないから、解決しなくてもいいと思ったが、担任としては見過ごせないらしい。

ちなみに、緑間くんが壊した扉は学校経費で直すらしい。状況が状況だったということで、緑間くんは反省文を免れた。
　
担任が出ていったあと、梨花に泣きつかれたが、ウザかったから高尾くんに返した。心配してくれたのはありがたいけど。

とまあ、なんやかんやあり、私は母の迎えで帰宅する事になった。そして、迎えを待つ間、保健室で寝る事になった。
高尾くんと梨花、そして緑間くんは教室へ戻っていった。このあと、誰かが私の荷物を持ってきてくれるらしい。

そして、ようやくひと段落し、寝転がる。目を瞑り、今日のことを思い出す。

閉じ込められた時は、正直怖かった。でも、彼が助けてくれたことで、恐怖が消えた。

(まさか、助けてくれるなんて……)

本当にびっくりした。それに、あんなに焦った顔も初めて見た。思い出して、思わず顔が熱くなる。

(はっ！何ドキドキしてんの私！)

きっと吊り橋効果、というやつに違いないと、自分に言い聞かせていると、カーテンが開く音が聞こえた。きっと誰かが私の荷物を運んできてくれたのだろう。梨花かな、と考えながらそちらの方を見るが、再び驚愕する。思わず眉をひそめてしまった。

「え、なんで」

「せっかく荷物を持ってきてやったというのに、なんなのだよその顔は」

他でもない緑間くんがそこにいた。確かに彼は私のリュックを持っていた。

「いや、別に」

私は端的にそう言う。が、内心やばかった。吊り橋効果は偉大で、鼓動が速くなる。