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「マジで外、あっち〜！」
学校への道のりを歩きながら、俺は制服のシャツをパタパタして体を扇ぐ。
「ほんと暑いね！早く夏休みになってくれないかなぁー」
一方俺の左を歩く梨花ちゃんは、口ではそういうが、笑顔はとても爽やかで、一瞬暑さを忘れてしまいそうだった。
「どちらにせよ、夏休みになっても毎日部活で学校に来るのだよ」
梨花ちゃんの左を行く真ちゃんも、暑いはずなのにうんざりとはしていなかった。ここにいるやつら暑さ耐性ありすぎ。
「うぅ……でもなんか違うじゃん！体育館はずっと暑いから慣れるというか……」
「確かに。クーラーあると甘えちゃうよなー」
エアコンのかかった教室が恋しく、俺らはそんな会話をしながら、そこから早足で学校へと戻った。
「はー、涼し！生き返る〜」
「外ほんとに暑かったから、気持ちいいよねー」
教室へ入るとすぐに冷房の冷たい空気が、一気に熱くなっていた体を冷ました。マジで生き返る。
「って、あれ？Aちゃんいなくね？」
喜んだのも束の間、教室内にいるはずのAちゃんがいないことに気づいた。
「ほんとだ！トイレ行ったのかな？まあ、待ってれば来るでしょ」
梨花ちゃんはそう言って、買ってきたスポドリをゴクゴクと飲んだ。
確かに机の上のノートは広げたままだし、ちょっと出て行っただけなのかもと思ったため、俺も気にしないことにした。
「……Aちゃん、遅くね？」
教室に戻ってきてから30分。俺と真ちゃんは昼メシを食べ終わったが、Aちゃんが教室に帰ってくる気配は全くなかった。
「確かに……ちょっと連絡してみるね」
梨花ちゃんは残ったサンドイッチを口に入れてから、スマホを取り出してAちゃんにメッセージを送った。
すると、Aちゃんの鞄の中から音が聞こえた。
「今Aちゃんの携帯鳴らなかった？」
「うん……大丈夫かな、お姉ちゃん……」
先ほどまで元気だった梨花ちゃんが、Aちゃんが心配なのか暗い表情になった。俺も流石にちょっと不安になった。
「捜索しに行くかー。真ちゃんはどうする？」
Aちゃんの話に関して一切介入してこない真ちゃんは、教室に戻ってきてから、ずっと静かだったから、来るはずないよなぁと思いながらも、一応聞くことにした。
「……行ってやらないこともないのだよ」
意外な返答だった。
「え、マジ？珍しっ」
「悪いか？」
「いや悪かねぇけど……」
明日雪でも降るんじゃねえーかと思ったぜ。
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作者名：ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時：2022年4月22日 14時
