検索窓
今日:15 hit、昨日:34 hit、合計:15,050 hit

30 ページ30

彼女について行くと、来たことのない教室に着いた。教室に埃が被っているようなので、今はあまり使われていない教室なのだと察した。なんて、悠々としていると、派手な3人の女子生徒の前に連れてこられていた。

「こんにちは、橋本チャン」

「……こんにちは。誰ですか?」

3人は勝ち誇ったように笑っていたが、私にはどういう状況なのか全く分からなかった。とりあえず分かったのは、私をここまで連れてきた女子生徒は、この派手な女たちにこき使われているということだった。

「んー?教えてアゲナーイ。チクられたら困るしー」

リーダーなのか、真ん中の女が甘ったるい、間延びする声で言う。香水がかなりキツく、目を顰(しか)める。

「……用件は?」

さっさと終わらせて教室に帰りたい。というか、このクサイ女達から離れたかった。

「端的に言えば、橋本チャンがウザイんだよねー。バスケ部のマネージャーだか、なんだか知らないけど、男とイチャつきすぎてムカつくんだわ」

(あぁ、またか……)

ここでようやく状況が掴めた。まず、彼女たちは、前の宮地先輩のように、梨花と私を勘違いしていること。梨花は彼女達の恨みを買ったこと。そして、彼女達は梨花だと思い込んでいる私に、何かしようとしていること。

「それで何がしたいんですか?」

自分でも驚くほど冷静だった。いや、梨花と間違えている彼女達に呆れていたのかもしれない。というか、私を見ても梨花じゃないと気付かないってことは、そんなに梨花に対して恨みはないのでは。ただ誰かに当たりたいだけでは?
そう考えると、怒りも何も湧き上がらなかった。

「何って……オシオキ♡?」

首を傾げてぶりっ子しながらリーダー格の彼女がそういうと、脇の2人と私をここまで連れてきた子が私を掴んだ。

「え、なに」

そしてそのまま引きずられ、準備室のような狭い部屋へ押し込まれた。出ようとするも、脚とお腹を蹴られて、怯んでしまった。その隙に扉が閉められ、鍵の閉まる音もした。

「あ……」

終わった。

「反省してな!安心しなよ、誰も助けにっていうか、ここに来ないから!アハハ!」

すぐに甲高い笑い声が聞こえてきた。

31→←29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , キセキの世代 , 緑間真太郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年4月22日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。