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「Aちゃんは？図書館来るよな！」
高尾くんが、まだ椅子に座っている私の肩を叩いた。たまにやられるけど、地味に痛いからやめてほしい。
「いや、私も行かないよ」
「えー！なんで！お姉ちゃんも緑間くんも行こうよー、図書館！涼しいよ！」
なかなか折れない私たちに、駄々をこねる梨花。終いには涼しいからとか言い出した。訳がわからない。
「私、ここに残って勉強しようと思ってるの。だから3人で図書館行ってきて」
私はそう言い切って、机の上に明日テストをやる、現代文の教科書とノートを広げる。
「俺は行くと言ってないのだよ！」
緑間くんがぷりぷり怒ってそう言う。そんな緑間くんを無視して、高尾くんと梨花が私に学校に残る理由を問うてきた。
「えーなんでー？」
「そうだよ！なんで！」
「教室だって涼しいし。一年生はあんまり残る人いないから、静かな環境確保されてるし。それに、質問とかあったら、いつでも先生捕まえて聞けるじゃん」
テストを作るのは学校の先生で、正解は参考書ではなく、先生だ。テストでいい成績を狙うなら、最も効率的だと思う。それに、先生に媚び売ればちょっとは内申くれるからね。
「……なるほどなぁ、たしかに」
「えー！じゃあ私も学校残ってやる！」
「お、梨花ちゃんやる気じゃん。じゃあ俺も学校残ろうかなぁ」
いや、やめてほしい。静かな環境が遠のく。そんな私の気持ちとは逆に、2人は私の近くの席に荷物を置いて着席する。終わった。
「真ちゃんは？どうする？」
帰る準備万端だった緑間くんに、高尾くんが話しかける。どうせ彼は帰ると思っていたのだが……
「……俺も残るのだよ。内申点を稼ぐのに、ちょうど良いからな」
「え」
「よっしゃー！真ちゃんも残るって！」
「やったー！みんなで勉強会！」
学校に残って自習していくと決めたらしい。しかも私と魂胆が一緒だった。心で嘆く私とは対称的に、喜びを露わにする高尾くんと梨花。
さようなら、私の平穏な自習時間……。
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作者名：ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時：2022年4月22日 14時
