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そして、3つ目はーーー
「今日の部活のメニュー聞いた?」
「え、なになに?」
梨花が部活についての話題を出し、高尾くんが反応する。私はいつものように、2人の話を黙って聞いていた。
「……うーわ、まじかー。疲れんなー」
「なかなかハードだよねー。頑張って!」
たまにこうしてバスケ部の話題が出ることがある。そういうときは、私は黙るようにしていた。どうせ話わからないしね。
でも、最初の頃は結構悩んだ。ただでさえ、他クラスの高尾くん、同じクラスだけど気の合わない緑間くんと、距離を感じていたのに、その話題が出ると、バスケ部とそうじゃない私との壁が顕著になるからだ。そもそもこのメンバーで食べることがおかしいのだけどね。
当時は疎外感を感じながら、そんなことを考えていた。しかししばらくしてから、こうなった時、ただ1人、彼らの話に積極的に参加するわけでもなく、完全に無視するわけでもなく、中立の立場を貫く人間がいることに気づいた。
それが、緑間くんだった。正直な話、これは助かった。
最初の方は、バスケ部の話題には興味がないのかな、と思っていた。でも、部活中はよく高尾くんと梨花と行動を共にすることが多いらしいし、先輩たちとも友好な関係を気づいているらしい。
だから、彼は意図的にバスケ部の話題に参加していないのかもしれないと思い始めたが、その理由についてはわからなかった。
でも、ある日高尾くんが
「真ちゃんはツンデレだからなー」
と私に言った。そして、彼の他人へのサポート方法は、わかりにくいとも言った。私は頭にハテナを浮かべながら聞いていたが、最後に彼が
「Aちゃんが仲間外れにならないようにしてくれてんじゃね?」
と言ったことで、なんの話か察し、納得した。
私は緑間くんのことが気に食わないし、緑間くんも私のことが嫌いだ。が、だからといって嫌がらせをしたり、仲間外れにしようと思っているわけではない。
だから、私が仲間外れにならないように、緑間くんがわざとバスケ部の話に参加していないというのは、可能性としては十分あり得た。
本人から直接聞いたわけではないから断定はできないが、私は、私の都合のいいように解釈させてもらうことにした。
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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年4月22日 14時