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「んで、どうすんの、真ちゃん」
「どうもこうも、宮地先輩に状況を説明して、ヤツに対しても謝罪をしてもらうだけなのだよ」
何を当たり前のことを聞いているのだよ。
「でも真ちゃん、Aちゃんのこと、嫌いじゃなかったっけ?」
高尾がキツネのように目を細めながら口角をあげ、挑発するような顔で俺にそう言う。
「嫌いなのだよ。だが……ヤツが理不尽なことで泣いているのは、気に食わないのだよ」
「えっ、Aちゃん、泣いちゃったの?」
「……」
高尾から黙って目を逸らす。
おそらくAの性格的に、このように自分の知らないところで自分のことを言われるのは気に入らないだろう。しかし、時すでに遅し。俺は口を滑らせてしまっていた。
「なるほどな〜。真ちゃんは女のナミダにやられちゃったのか〜。純粋だな〜!」
ゲラゲラ笑いながら俺の背中をバンバンと叩く高尾。
「そういうわけではないのだよ!というか背中を叩くな!あと、ずっと思っていたが、真ちゃんって呼ぶのやめるのだよ!」
俺はそう吐き捨てて教室へ戻った。教室へ戻っても、まだ俺の右隣は空席だった。
休みの残り時間を考えると、ヤツはおそらく2限も休むと思われた。俺も時間的に宮地先輩の元へは行けないと判断し、昼休み中に行動に移すことにした。
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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年4月22日 14時