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「高尾に聞きたいことがあるのだよ」
俺は1限目が終わると、すぐに高尾のクラスへ向かい、高尾を呼び出した。
「真ちゃんが来るなんて珍しいじゃん。なんか用かー？」
まったく、この難波な感じが本当に気に食わないのだよ。
「橋本……Aと宮地先輩のことで少し、な」
俺がヤツの名前をあげると、高尾はポカンとした。
「え？Aちゃん？」
「あぁ、橋本Aだ。昨日、お前は廊下でヤツと会ったと言っていたな」
「ああ、なんだそのことか。たしかに会ったけど……」
「その時、橋本Aは宮地先輩について何か言っていなかったか？」
おそらく宮地先輩は、昨日の部活中、橋本梨花に強く当たったのと同様に、委員会で見かけた橋本Aにもキツく当たっただろう。あくまで推測にすぎないが、昨日の先輩の様子といい、今朝の橋本Aの様子といい、可能性としては十分ありえた。そして、俺の推測を、事実として裏付けるのは、昨日ヤツとコンタクトがあった高尾の供述、だと考えた。
「あー！そういえば言ってたわ」
「なんと言っていたのだよ」
確信に迫り、少し興奮するも平静を装って、質問を続ける。
「んー、初対面なのにいきなり先輩には挨拶しろって怒られたとか、人違いだっつっても、嘘ついてると思われて先輩への礼儀がなってない、って説教されたとか言ってたっけな」
「やはり、か」
俺は顎に手を添えて、もう一度状況を整理しようとする。
「やはりって、なにが？」
それに高尾が食いつく。
「端的に言えば、宮地先輩にはもう1人、謝罪をすべき相手がいるということ、なのだよ」
「……？あーなるほど」
高尾もそれなりに賢いらしい。すぐに理解した、という表情になった。
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作者名：ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時：2022年4月22日 14時
