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「お前の好きなものはなんだ、理由も言うのだよ」
「猫。気まぐれなところが可愛いから」
「俺の嫌いなものは、猫なのだよ。理由は過去にひっかかれたからなのだよ」
頭の中に疑問符を浮かべつつも、緑間くんの質問にただ答えていた。すると、先ほどまでのただイラついた表情とは打って変わり、真剣な表情で、次の質問をした。
「お前が、嫌いなものはなんだ。……理由も教えるのだよ」
私はしばらく彼を見つめた。少し吊り上がっている彼の目は、彼の少し尖った性格を表しているようだった。しかし、憧れるほど長い下まつげが、その怖い目を若干柔和なものへと変えている。そんな彼の瞳から出る視線が、私へと注がれていた。
私は一度目を瞑り、深呼吸をして、彼の質問に答えた。
「私が嫌いなものは、占い。理由は、信じられないから」
「それは何故なのだよ」
「……占いって大体は血液型、生年月日、星座で結果が出るでしょ。そもそも、そんな少ない枠組みで性格や運勢が変わるのはおかしいと思う。それに、」
緑間くんは、私の発言にしっかりと耳を傾けていた。
「占いの結果内容、ぜんぶ、梨花と一緒だもん」
彼の息を呑む音が聞こえた気がした。
「血液型、生年月日……星座。全部、梨花と一緒だから、占い結果が一緒になるのは当たり前。だけど、現実はそうじゃない。梨花の方が、絶対、運勢がいいもの」
「なぜ、そう断言できるのだよ」
根掘り葉掘り聞こうとしてくる緑間くん。今の弱い私は、全てを漏らしてしまいそうだった。
「……今日のおは朝占い」
「……？」
「私、たちの星座、魚座は一位だった。だけど、今日ラッキーなのは、梨花だけ。私は……私を助けてくれるのは、誰もいなかった……」
気がつくと、私の目から涙がほろほろと流れ落ちてきた。
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作者名：ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時：2022年4月22日 14時
