【黒子のバスケ】占い嫌いと占い信者【緑間真太郎】 (ページ12)

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『今日のおは朝占い！第１位は魚座のアナタ！思わぬ人が助けてくれるかも？ラッキーアイテムは眼鏡！』

いつものようにおは朝占いが流れるが今日は少し梨花の反応が違った。いつもならテレビに食いついて見ているのに、今日は落ち着いている。魚座が１位だというのに。

昨日の涙といい、今朝の様子といい、やはり梨花は昨日何かしらあったのだろうに、私が聞いても梨花は教えてはくれなかった。

(まあ私は私だし、梨花は梨花か。気にしないでいいや)

双子だからといって、何でも共有すべきだとは思わない。現に自分も梨花に知られたくないことだってある。だから私は、これ以上彼女に干渉しないことにした。

教室について着席する。朝のHRまではまだ時間があるため、教室内の生徒数は少なかった。
暇つぶしに家から持ってきた本を読もうと鞄を開いた時、思わぬ人物に話しかけられた。

「橋本、少しいいか」

「……なに？」

緑間くんだった。いつもは決して、私に話しかけてこないこの男が、だ。

「着いてきてもらいたいのだよ」

「は？」

相変わらず高圧的で、いい気はしなかった。しかし、嫌いとはいえ、双方が「必要最低限」を受け入れているため、今回のは大切な要件なのだろう。反発して長く話を交えるのも疲れるとおもい、私は黙って緑間くんの後に続いた。

連れてこられたのは、渡り廊下だった。1年生の教室がある館(かん)と、2、3年生の教室がある館(かん)を結ぶその場所へは、移動教室や部活の業務連絡等以外では、人は滅多に訪れない。そのため、例によって人気(ひとけ)はなく、その場にいたのは、梨花、高尾くん、そして、昨日の威圧的な先輩だけだった。

私は黙ったままその3人のいる場所へ、緑間くんとたどり着いた。

「ほら、宮地先輩。この子っす」

私が来るとすぐに高尾くんは、先輩に私を紹介するように人差し指をこちらへ向けた。

「うーわ、マジかよ」

宮地先輩(?)は、私を見て驚愕していた。やはり梨花と間違えていたのだろう。

「だから言ったじゃないっすかー、双子だって。約束どおり、梨花ちゃんに謝ってくださいっす」

高尾くんは、はぁーと大きなため息をついて、先輩に謝罪を求めた。

「……分かった。橋本、疑って悪かった。それと、怒鳴ってすまなかった」

「いえ！大丈夫です！私こそちゃんと説明してなくてすみませんでした！」

高尾くんのセリフに、すぐに梨花に頭を下げる先輩。梨花はそんな先輩にあわてていた。