【黒子のバスケ】占い嫌いと占い信者【緑間真太郎】 (ページ11)

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「あ？いきなりなんだよ、緑間、轢くぞ！」

「……宮地先輩が先ほど会ったのは、この橋本ではないと思います」

緑間くんは、臆することなく宮地先輩を説得してくれる。

「どういうことだよ？」

少し落ち着いたのか、緑間くんの話に耳を傾ける宮地先輩。

「俺のクラスにも、橋本というやつがいます。その橋本は、ここにいる橋本梨花の双子の姉妹です」

「双子ぉ？」

何を急に馬鹿げたことを、と言わんばかりに語尾と眉を釣り上げる宮地先輩。

「はい。だから、宮地先輩が先ほど委員会で見かけたのは、橋本梨花の双子だと思われます」

そしてそこへ、さらなる救世主が現れた。

「あ、宮地先輩〜！さっき、橋本Aちゃんって子に会ったんすけど、その子めちゃくちゃ梨花ちゃんにそっくりで、話によるとAちゃん、風紀委員みたいっすよ！」

「高尾くん……！」

同じく委員会で遅くなった高尾くんは、騒動を聞いて慌ててきてくれたのか、制服のまま体育館へ来てくれた。

ようやく宮地先輩から解放されるかも。と期待を抱く。しかし、私たちのことはまだ信用していないようだった。

「お前ら、仲いいから口裏合わせてんじゃねーだろうな？」

目を細めて私たち3人を睨む宮地先輩。

「ち、ちがいます！」
「えーこれでも信じてもらえないんすかー」

私はさらなる否定をし、高尾くんは呆れてしまっている。だけど、1人だけ、緑間くんだけは冷静だった。

「宮地先輩が俺たちのことを信じられないのなら、明日、事実を確かめてください。それで橋本が双子だった場合、橋本に謝罪してください。お願いします」

「緑間くん……」「真ちゃん……」

自分とは関係ないのに、私のために先輩に頭を下げる緑間くん。心の底が軽くなった気がした。

騒動が長引きすぎたのと、緑間くんが頭を下げたのとで、今日のところはお開きにして、この問題はまた明日の朝に持ち越すことになった。