【黒子のバスケ】占い嫌いと占い信者【緑間真太郎】 (ページ1)

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『今日のおは朝占い！第１位は蟹座のあなた！』

「いただきます」

テレビから流れる音を他所に、トーストを頬張る。

『ーーー運命の人に出会えるかも……？

そんな蟹座の皆さんの、今日のラッキーアイテムは、広辞苑です！』

私の家では、おは朝の占いを見ることが毎朝の日課である。と、いっても気にしているのは、母と妹だけなのだが。

(ていうか、ラッキーアイテムが広辞苑って何？重たくない？)

私は占いに関して全く興味はないのだが、占い結果は、否が応でも私の頭に響いてくる。

『第6位は、蠍座のあなた！』

「お母さん、6位だって！」

「まあまあいい順位ね！」

母の星座の順位が発表され、妹と母はテレビに先ほど以上に食いついた。

『ーーー敵視していた相手が味方になるかも……？ラッキーアイテムは、油性ペンです！』

「油性ペン、どこにあったかしら？」

「そこの引き出しに入ってなかったー？」

ラッキーアイテムが発表され、早速アイテムを探す母。

(ほんと、アホみたい)

占い結果に振り回されている母を、私は軽視した。しかし、そんな母をじっと見つめているわけにはいかない。

何故なら今日は、高校の入学式だからだ。

(さっさとご飯食べて支度して、登校しないと)

ーーーそう思った矢先だった。

『本日の最下位は、残念！魚座のあなた！

気の合わない人と会って、1日中ブルーモード！そんな魚座を救ってくれるアイテムは、ルーズリーフです！』

「大変！コンビニで買って行こー。お姉ちゃんもいるー？」

ようやく占いが終わり、妹も支度を始めた。やはりラッキーアイテムは外せないのか、わざわざ買いに行こうとしている。そして、私にもその恩恵を与えようとしてくる。

「いい。いらない」

私が占い嫌いであることを知っているはずなのに、時折占い関連のことを聞いてくる妹には、正直腹が立っていた。そのため、今日も私は、妹を冷たくあしらった。

「そっか……」

妹の顔はどこか悲しげだったが、私は気付かないふりをして、食器を片付け、支度を始めたのだった。