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episode 05 ページ6

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「てかさぁ……集落に着くまでに大型バスでも2時間掛かるとかどんだけ遠いんだよって感じじゃね?」
「もしかして木葉さん、こういう所来るの初めてなんですか……?」
「当たり前だろ!? え、何。もしかして赤葦は初めてじゃないの?」
「いや、俺も初めてです。2時間も掛かるなんてビックリです」
「初めてなのかよっ!!」


私の後ろの座席には梟谷の木葉さんと赤葦さんが座っている。そのせいで2人の会話がほとんど筒抜け。赤葦さんってあんな風にボケたりするんだ……。
不意打ちだったコントのような会話に小さく笑ってしまう。すると影山君が訝しげな表情で「何笑ってんだ」と問いかけてきた。

影山君からすればいきなり私が笑ったように見えていたはず。完全に私がおかしい人じゃん!
「な、何でもないの!」と慌てて首を横に振ると、納得しきれてはいない表情を浮かべつつも影山君は「…そうか」と言って、そっぽを向いてしまった。
私も何となく窓の外の景色を見る。


──辺り一面、緑色。


宮城ではこんな景色も珍しくは無いけれど、東京の人からするとこんなに自然に囲まれた(囲まれすぎた)所に行くのはかなり珍しいのかもしれない。冬場だけど少なからず虫……いるんだろうな。
せめてキモイのは現れませんようにと祈りながら、バスに揺られる。

合流場所出発から約2時間後、目的地である集落に到着した。



「うっわすげぇぇぇ! 木! めっちゃデカい!! あかーし見てる!?」
「見てます。本当に大きいですね。だから叫ぶのやめてください。みっともないし、何より恥ずかしいです」
「そこまでボロくそに言う必要あったか……??」



「影山クンはそわそわタイムですかー?」
「うるせぇ日向ボゲェ! ソワソワしてねぇよ! つか何でお前そんないつも通りなんだよ!」
「いや俺、普段山越えて学校行ってるからこういう景色見慣れてるし」



「角名ー! 森をバックに俺と(サム)の写真撮ってや!」
「はやくしぃや!」
「オッホホ、精神年齢5歳かよ」
「お前らあんまりはしゃぎ過ぎんとってな」



「光来くん、もしかして木登りしたいとか考えてる?」
「は、ハァッ!? そんな訳無いだろッ!」
「めっちゃ視線泳いでるよ〜」



「そんなイライラしなくても、都会よりもこっちの方が空気綺麗だろー? たまにはマスク取って息してみろよ!」
「無理。絶対ヤダ。どんなに空気が綺麗でもその分今は人の数が多い」
「潔癖もここまで来ると重症だな…」



──合宿が、始まる。

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スピカ - 私もハイキューサーチに行っても見れませんでした…どうすれば見れますかね? (4月19日 13時) (レス) id: 75e3caad72 (このIDを非表示/違反報告)
白楊(プロフ) - ハイキューサーチに行っても見れませんどうすればいいですか? (3月10日 22時) (レス) id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - フェルマーさん» ありがとうございます! (2021年6月26日 10時) (レス) id: e4b21374ad (このIDを非表示/違反報告)
フェルマー - えむさん» 作者様じゃないですが、HQ★searchと検索して1番上に出てくるランク集を選択します。そこでまたHQ★searchを選択しallを押します。すると240件くらい出てきます。そこで「嘘吐き女の、」というタイトルをクリックすると読めますよ!分かりにくくて申し訳ありません、 (2021年6月25日 19時) (レス) id: 6452396e63 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - コメント失礼します!調べても出てこないのですがなんと調べたら出てきますでしょうか?? (2021年6月24日 20時) (レス) id: e4b21374ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:納豆巻き | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年5月26日 6時

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