episode 04 ページ5
.
「ところで、マネージャーさんの名前教えてくれへん？」
「烏野1年の
宮兄弟の治さんの方に名前を聞かれたので学年と名前を答えると、宮さん達は「ほなAちゃんって呼ぶことにするな」と言った。
試合中のあの怖い様子は欠片もなく、むしろ人あたりの良い2人に少し困惑してしまう。もっと怖い人かと思ってたのに。
「俺達のことは下の名前で呼んで欲しいわ」
「宮さんだと区別できひんからね」
「分かりました。侑さんと治さんって呼ぶことにします」
この場を凌ぐためにそうは言ったものの、この先頻繁に彼らの名前を呼ぶほど関わる事も無いと思う。
周りからは冷静に会話出来てると思われがちだけど、本当は心臓が口から出そうなくらい緊張している。仁花は誰が見ても分かるくらい表に感情が出やすいけど、私は相手に慣れるまではそこまで感情を表に出さないタイプ。てか出せない。緊張しすぎて表情筋が固まってしまうのだ。
私達が会話しているのと同じように、バスの中ではあちこちで会話が生まれており、穏やかな会話をする人達も居れば、怒鳴り声を上げながらギャンギャン騒いでいる人達もいる。そういう人達は引率で着いてきた武田先生と烏養さんにこっぴどく注意されていたけれど。
私達の斜め前の方に座っている伊達工の二口さんと青根さん辺りが特に騒がしい。その2人の前の席に座っているのが田中さんと東峰さん。
東峰さんは温厚だけど、田中さんが二口さんと睨み合いながら火花を散らしている。
そのとき、バスの中にピコンピコンピコンッ、と某メッセージアプリの通知音が大きく鳴り渡る。それと同時に二口さんが「うわっ！」と引いたような声を上げながら、自身のスマホの音量を慌てて下げた。
どうやら二口さんのスマホに通知が届いたらしい。スタ爆みたいな勢いで鳴ってたけど大丈夫かな。
田中さんが「おまっ…驚いたじゃねぇか！ うるせぇよ！」と叫ぶと、二口さんは「悪かったな！ てかお前の声も十分うるせぇよ！」と声を荒らげる。そこに伊達工の元主将、茂庭さんが「やめろ！」と仲裁に入る。
「というかそんなに沢山の通知、誰からだ？」
「あーただのクラスメイトっす。そいつの誕生日近くて誕プレ何が良いかって聞いたら外国にしか売ってない工具類が欲しいって大量の画像送り付けられました。そいつ、マニアなんスよ」
「あ、なるほどな」
うんざりとした顔で、二口さんはため息をついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スピカ - 私もハイキューサーチに行っても見れませんでした…どうすれば見れますかね？ (4月19日 13時) (
レス) id: 75e3caad72 (このIDを非表示/違反報告)
白楊(プロフ) - ハイキューサーチに行っても見れませんどうすればいいですか？ (3月10日 22時) (レス) id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - フェルマーさん» ありがとうございます！ (2021年6月26日 10時) (レス) id: e4b21374ad (このIDを非表示/違反報告)
フェルマー - えむさん» 作者様じゃないですが、HQ★searchと検索して1番上に出てくるランク集を選択します。そこでまたHQ★searchを選択しallを押します。すると240件くらい出てきます。そこで「嘘吐き女の、」というタイトルをクリックすると読めますよ！分かりにくくて申し訳ありません、 (2021年6月25日 19時) (レス) id: 6452396e63 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - コメント失礼します！調べても出てこないのですがなんと調べたら出てきますでしょうか？？ (2021年6月24日 20時) (レス) id: e4b21374ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
