死人に口なし【HQホラー】

episode 27 ページ28

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リエーフ君に手を引かれ、1年組の部屋に入ると中には月島君と国見君、そして山口君と五色君が居た。四人は私とリエーフ君を同時に視界に映すと、繋がれている私達の手に気づいたらしく、揃いも揃って理解しきれていないような表情で私達を見つめてくる。しかし、とても素直な五色君はとても引き攣った表情で私達を指さした。

「……お前らって、実はデキてたりするのか？」
「へっ……？ アッ、ち、違うぞ!? こ、ここ、コレはただ!!」
「その挙動不審な感じがますます怪しすぎない？」
「オイ国見……！ あんま余計な事言うんじゃねえよ！」

続けざまにリエーフ君をからかってきた国見君を、リエーフ君は僅かに頬を赤く染めてあしらう。そんな表情をされてしまうと、何だか余計なことを考えないようにしていたこちらまで恥ずかしくなってくる。集中する視線に耐えきれなくなり、咄嗟にリエーフ君の手を離すと、リエーフ君は未だにからかってくる国見君と五色君を黙らせに飛んでいってしまった。
自分から離したとはいえ、繋いでいた手が急に無くなってしまったので多少の寂しさを感じてしまう。すると、何を考えているのか全く分からない無の表情の月島君が「……何、君って灰羽のことスキなの？」と、問いかけてきた。慌てて首を横に振る。

「違うよ……!? 今のはただの成り行きって感じで、私もリエーフ君も他意は無いから！」
「ふーん……。ていうか、前から言いたかったんだけど君って灰羽だけは下の名前で呼ぶんだね。他の人は皆、苗字で呼んでるのに」
「えっ！ それはなんか……日向君がよくリエーフリエーフって言ってたから、私の中で“灰羽君”より“リエーフ君”って感じが強くて……」

身振り手振りも付けながら必死に誤解を解こうと奮闘していると、月島君は私もよりも数十センチ以上も上から、「必死すぎでしょ」と鼻で笑って見下してきた。思わずカチーンときたが、月島君と口喧嘩しても負ける気しかしないのでここは黙っておこう。キュッと口を引き結んでただただ月島君を見上げる。

「……君って少し、日向に似てるよね」
「私が……？」
「…………いやなんでもない」

具体的にどこら辺が日向君に似ているのかとてつもなく気になる。だけど、それを月島君に問いかける前に部屋の扉がスっと開かれた。

「悪い待たせた！」
「おかえりー」

現れたのはついさっきまでこの場にはいなかったメンバー。メンツの中には絶賛傷心中の日向君もいた。

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