episode 26 ページ27
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お風呂から上がり、少し面倒に思いながらスキンケアやドライヤーなどを終える。お風呂に付き合ってくれた佐藤さんに二人でお礼を告げ、私と潔子さんは荷物を置きに一度部屋に帰ってきた。この後は1年組でお喋りする予定になってるけど、皆もうお風呂終わってるのかな?
こっちはお風呂を終えるのに手間取ってしまったので、お風呂の順番が最後の1年組もそろそろ終わっていても良いくらい。
潔子さんは「澤村達の所に行ってくるね」と、部屋を出た。烏野の3年生で積もる話があるみたい。
潔子さんがいなくなった部屋は凄く物静かで、外で吹いている風の音がやけに大きく聞こえた。隙間風が吹いているのか、時折、ガタガタっと若干立て付けの悪い扉が揺れるのが怖い。
ずっとここに1人でいるのも落ち着かないので、私は思い切って1年組の部屋に行ってみることにした。
……そういえば日向君、大丈夫だったのかな?
お風呂場事件の衝撃が大きすぎて忘れかけていたが、日向君の一件もあったじゃないか。
確かに晩御飯の時は日向君の両サイドに澤村さんと菅原さんが座り、普段よりかは食欲の少ない日向君にしきりに声を掛けて和ませようとしていた。もう落ち着いてると良いな。
色々と考えながら歩いていると、いつの間にか1年組の寝泊まりする部屋がもうすぐそばにあった。危うく通り過ぎてしまう所だった。
そっと聞き耳を立てると、中からは数人の声が聞こえてくる。でも全員は集まっていないようだ。
──と、ここで私は重大な事に気がついてしまう。
「(……ど、どんな感じで部屋に入ればいいの……!?)」
中にいるのが日向君や影山君、月島君に山口君だけならまだすんなりと入れただろう。だけども、今はそうじゃない。他校の人もいるわけで。そう気軽にと入っていく訳にはいかない。
部屋の前に突っ立って頭を抱えている私は、傍から見れば不審極まりない。三分ほど部屋の前に悩みながら立っていると、後ろから「なっ、何してるんだ?」と声を掛けられた。
後ろを振り返ると、そこにはお風呂上がりであろうリエーフ君が立っていた。
「そんな所で突っ立ってないで、早く入れば良いんじゃね……?」
「あ、そうなんだけどね、どうやって入ろうかなって……」
たちまち恥ずかしくなり、視線を泳がしていると、ポカンとしていたリエーフ君が「アッハハ!」と笑いだした。
「じゃあ俺と一緒に入ろ、入翔サン!」
そう言って手を差し出してきたリエーフ君は、まるで童話の王子様のようだった。
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スピカ - 私もハイキューサーチに行っても見れませんでした…どうすれば見れますかね? (4月19日 13時) (レス) id: 75e3caad72 (このIDを非表示/違反報告)
白楊(プロフ) - ハイキューサーチに行っても見れませんどうすればいいですか? (3月10日 22時) (レス) id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - フェルマーさん» ありがとうございます! (2021年6月26日 10時) (レス) id: e4b21374ad (このIDを非表示/違反報告)
フェルマー - えむさん» 作者様じゃないですが、HQ★searchと検索して1番上に出てくるランク集を選択します。そこでまたHQ★searchを選択しallを押します。すると240件くらい出てきます。そこで「嘘吐き女の、」というタイトルをクリックすると読めますよ!分かりにくくて申し訳ありません、 (2021年6月25日 19時) (レス) id: 6452396e63 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - コメント失礼します!調べても出てこないのですがなんと調べたら出てきますでしょうか?? (2021年6月24日 20時) (レス) id: e4b21374ad (このIDを非表示/違反報告)
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