episode 21 ページ22
.
「日向、影山、入翔！ 無事か!? 怪我とかはしてないか!?」
「私達誰も怪我はしてないです。ただ日向君がさっきから何かに怯えてて腰が抜けちゃったみたいで……」
「そりゃ一人でこんな森の中で迷子になったら怖くもなるだろ……やっぱり俺も着いてくべきだったなぁ……」
「うーん……そうなんですかね……？」
まるで保護者のように泣いている日向君の頭を撫でる菅原さん。影山君が玄関に入って腰掛けると、日向君を背中から下ろす。背中から下ろされた日向君は見慣れた人達が周りに居るおかげか、さっきより落ち着いてきたようだ。
鼻を啜っている日向君に、澤村さんが近づき「日向、あれほど一人になるなって言っただろ？」と出来るだけ優しい声音で言った。
ただ日向君は、顔を上げて澤村さんの目と視線を合わせると「だって……」と、今にも消えてしまいそうなほどか細い声で何かを話そうとしている。澤村さんが「ん？」と聞き返したそのとき、「あ！ 無事に帰って来れた!?」と、廊下の奥から安心したような表情を浮かべた織田さんが駆け寄ってきた。
「今から探しに行こうと思ってたんだけど、帰ってきてくれて良かったぁ……本当に心配したよ」
「織田さん、心配をお掛けしてすみません！」
「良いよ良いよ。こうして無事に戻ってきてくれたからね」
謝罪して頭を下げると、織田さんは手を両手にヒラヒラと振って笑い飛ばしてくれた。そして今度は頭を傾げて不思議そうに問いかけてくる。
「それにしてもよく帰って来れたね。森の中で迷ったって事はここまで道、複雑だったでしょ？」
「全部こいつの勘で進みました。地元の道じゃなくてもAの勘は使えるみたいッス」
「おぉ……！ 入翔が日向達と一緒にいてくれて良かった……！」
よくやった！と菅原さんにわしゃわしゃと髪を掻き回される。お陰様で髪の毛がグシャグシャになってしまった。褒められてるんだけど微妙な気分。
現在の時間を確認すると、私達はかなり迷っていたのか、17:30を超える所だった。18時頃が晩御飯って言っていたよね。間に合ってよかった……！
とりあえず日向君がかなりボロボロの格好になっているので着替えさせよう、という話になり動き始めた直後、武田先生と烏養さんも「日向(君)達戻ってきたのか!?」と駆けつけてきた。丁度良いタイミング。
日向君は先生と澤村さん、菅原さんに連れていかれ、私と影山君はほっと一息つく。
そんな私達に「…ねぇ」と、背後から声を掛けられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スピカ - 私もハイキューサーチに行っても見れませんでした…どうすれば見れますかね？ (4月19日 13時) (
レス) id: 75e3caad72 (このIDを非表示/違反報告)
白楊(プロフ) - ハイキューサーチに行っても見れませんどうすればいいですか？ (3月10日 22時) (レス) id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - フェルマーさん» ありがとうございます！ (2021年6月26日 10時) (レス) id: e4b21374ad (このIDを非表示/違反報告)
フェルマー - えむさん» 作者様じゃないですが、HQ★searchと検索して1番上に出てくるランク集を選択します。そこでまたHQ★searchを選択しallを押します。すると240件くらい出てきます。そこで「嘘吐き女の、」というタイトルをクリックすると読めますよ！分かりにくくて申し訳ありません、 (2021年6月25日 19時) (レス) id: 6452396e63 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - コメント失礼します！調べても出てこないのですがなんと調べたら出てきますでしょうか？？ (2021年6月24日 20時) (レス) id: e4b21374ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
