標的 ページ9
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白鳥沢3年+OBとの練習試合の最中、国見は顔を顰めながら相手コートの宙を舞うボールを目で追っていた。
黄金川のサーブを危なげなくキッチリ拾われ、セッターがそのボールを牛島にセットする。
国見は、例え牛島のスパイクを真正面で捉えたとしてもレシーブできる自信など持ち合わせていない。だがもしこの場面で逃げようものなら今この場にいる熱血組(黄金川、五色、日向)から詰め寄られそうなので逃げたくなる気持ちをグッと堪えてスパイクのコースを見極める。
ーーただ今の国見の場合、わざわざコースを読まずとも牛島のスパイクが自分に向かって打たれるのは、ほぼ確定だった。
何故、牛島から自分がスパイクで狙われるような事になってしまったのか国見はさっぱり分からない。試合が始まるなり、周りも「…ん？？」とその異変に気づくくらい、牛島は国見の事を標的にしていた。
そしてやはり再び自分に向けて打たれた牛島の殺人スパイクを何とかレシーブしようと受けるが、威力はエグいし回転はキモいしで、ボールは腕に大きく弾かれ遠くに落ちていく。
「(……マジで何で俺こんなに狙われてんだよ。あーもう帰りたい。そんでベッドで寝転んで携帯弄りながら塩キャラメル食べたい……)」
そんな願望を頭の中に思い描くが現実はそれとは真逆で、両腕からジンジンと伝わってくる痛みに、国見は自然と眉間に皺を寄せていた。月島はあからさまに牛島にロックオンされている国見を可哀想に思いながらも、自分まで巻き込まれては適わないので無難に「ドンマイ」とだけ声を上げる。
この時点で点数は白鳥沢が22の1年組が12だ。笑えてくるほどにボロ負けしている。失点のほとんどの要因が国見のレシーブミス。しかしこれを責められるほどレシーブ力のある人間は1年の中にはおらず、ただただ周りは心の中で国見を応援することしか出来ない。
「英ー！ 頑張れー！」
「無理。A場所代わって……」
「潔すぎて笑うわ」
「若利君なんでそんなムキになってんのー？」
「ムキになってはいない」
「いやいやー。ま、大体の予想はついてるけどね！ あのマネちゃんとアイツが仲良くしてる所見て嫉妬したんでしょ？」
「……嫉妬？」
牛島の視界にAが映る。途端にAと国見が仲良く会話をしていた光景を思い出し、胸がギュッと締め付けられるような感覚に襲われた。
「……嫉妬、か」
この苦しくてたまらない感情が何なのか、彼は今日、初めて理解した。
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ナノハナ - めっちゃ面白いです！私はこの話の続き、いつまでも待ってます！ (2月18日 21時) (
レス) @page41 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 文才が天才ですめちゃくちゃ好きです、、お時間ある時にまた更新お願いします！そしてもっとモテモテの荒井ちゃん見たいし欲を言えば全員との落ちなんかも見れたら嬉しいです笑更新楽しみにしてます！ (7月17日 16時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
Wing(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました。続き楽しみにしてます! (2022年8月25日 16時) (レス) @page41 id: 8c6a1b2baa (このIDを非表示/違反報告)
( ･´ｰ･｀)どやｗ - こんな文才ほしいっ(ﾉД`)ｼｸｼｸ あ、とっても面白かったです！！（汗） 好かれる可愛さ！たしかにかわいいっニコニコしているっ＝天使 変な方程式ｗｗ 返信不要です (2022年7月2日 14時) (レス) @page41 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
あくもん(プロフ) - うわぁぁぁぁぁ！！！！更新されてる！今回も素晴らしい話でした！これからも更新頑張ってください！いつまでも気長に待ってます！お身体には気をつけてくださいね！ (2022年5月15日 10時) (レス) @page40 id: cfb31e7c1d (このIDを非表示/違反報告)
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