CHAPTER １ー５ ページ5
小さい。中1にしてはあまりにも体が小さすぎる。この大きさでは小学生とも遜色ない。何か、私の歳が判明するような手がかりは無いのか。ぐるりと部屋の中を見渡す。
＿＿と、そこで見つけたのは、ハンガーラックに掛けられた服。その服は、私が9歳の頃にお母さんが買ってくれたもの。新品同然の状態に保たれているので、買ってからまだ間もない事が伺える。それはつまり。
「(……もしかして、今の私って9歳の時の私なの！？聞いていた話と違うじゃないですか花垣さん……！)」
タイムリープするのって……12年前の世界じゃないの！？
❃
お母さんには内緒で家を抜け出し、家の近くにある公園のブランコに座りながら、私は黄昏ていた。私と花垣さんが12年前にタイムリープしてやろうとしていたのは、万次郎が12年後の世界で巨悪にならないように過去を変えるため。
花垣さん曰く、前回のタイムリープでは良い形で終わったはずなのに、今回が一番最悪の未来だったらしい。だからきっと花垣さんが帰った後の未来で何かがあった筈。それを何とかする為に私も一緒にタイムリープをしたのに……どうして12年前どころか16年前に戻ってるわけ！？
イライラと混乱が収まらず、足元に転がっていた石っころを思い切り蹴ると、ただでさえ小さかった石っころは土煙で行方が分からなくなってしまった。そんなのはどうでもいいけど。
はあ、と深いため息をついて項垂れる。私はこれからどうすればいいんだろう。私が16年前の世界に来たということは、花垣さんも来ているのかな？
……でも確か、花垣さんも直人君も「12年前よりも前にはタイムリープできない」って言ってたよね。
それが本当だとしたら16年前にタイムリープしてきた私は一体何なの？
いくら考えても答えが出てこないことは分かりきっているが、それでも悩まずにはいられなかった。花垣さんや直人君に会えれば何か分かるかもしれないけど。
日も暮れ、公園の付近には放課後の遊びを終えて家に帰っていく小学生達がチラホラいた。私もそろそろ帰らないとお母さんが心配してしまう。ブランコから立ち上がったそのとき。
＿＿どこからともなく聞こえてきた消防車のサイレンの音に、「火事だ！！」という酷く慌てた大人達の声。
恐らく火事が起きている家に野次馬精神で向かっていく人達。今までこういう事には関わらないようにしていたのに、気づけば私は、火事の起きている家に向かっていた。
「(＿＿……私も、行かなきゃ)」
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しらす(｡∀゜)(プロフ) - えっっっぐい程面白いです！！！てか最初の赤音さんの救出で既にどハマりしました！！！好きです！！！大好きです！！！多分これから1週間位ずっと読んで読んで読みまくると思います！！！えマジで神作すぎて！！！大好きです！！応援してます！！！！ (2021年8月26日 16時) (
レス) id: 0ada0a2373 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - まさん» 初めまして！！タイトルに関してはかなり悩んだのでそう言って貰えて光栄です！！！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年8月21日 11時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！秀逸なタイトル回収にゾクゾクした勢いでコメント書かせてもらっています！続きが楽しみです。応援しています。 (2021年8月16日 19時) (レス) id: 462628ff0d (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - アンズさん» そのように言って頂けるなんて光栄です！！！(；ω；) (2021年7月31日 16時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
アンズ(プロフ) - 夢文化が廃れてくなかでこんな神作に出会えるとは…… (2021年7月31日 8時) (レス) id: af5bfd0de9 (このIDを非表示/違反報告)
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