6+∞でHiHi Jets Ⅶ (ページ7)

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『おはよ！A。』

｢おはよう、颯太。｣

実を言うと今年に入って初めて会うA。
AはAで色々あって、それを知ってるから。
メールしか出来なかった。

『久しぶりだね、こうして会うの。』

｢颯太もドラマに大学受験に個人仕事、多いからね。｣

『確かに～。あ、けどなんで実家に？ひとり暮らし始めたんでしょ？』

｢あー…、実はさ。仕事での役が抜けきらなくて。ひとりだと結構キツくて帰ってきたんだよね。｣

『え、大丈夫なの？』

｢割と重くて。初めての経験だったから混在してる時間がかなり、ね。けど、大丈夫。｣

『ほんと？』

｢私にはメンバーも仲間もいるから。役が抜けきったらまた戻るよ。｣

『良かった～…。』

Aは個人仕事が忙しくて最近はプライベートがなかったみたいで。
久しぶりにプライベートの時間ができたと思ったらまだ役が抜けきらなくてなるべく人といるようにしてる、とのこと。

……ってあれ？

『待って、今日俺に声かけてきたのって…。』

｢そう、誰かといたかったから。｣

『ええ、ショック……でも俺の事選んでくれたってことか。ならいーや！』

なんだ、今日という日に俺に声掛けたわけじゃないのか。
口ではああ言ったけど…、やっぱり寂しいな。

誕生日…なのに。

Aと他愛のない会話をしながら目的地を知るAについて歩く。
どこ行くのか分からないというわくわくと、俺の誕生日だということを忘れているんじゃないかという思いがごちゃごちゃになる。

到着したお店。
Aは予約していたのか店員さんに名前を告げると案内される個室。

そのままソファに腰かけると何食べる～？と聞いてくるAに任せるよと言えばコースメニューを注文する。

料理が運ばれてきてしばらくした時。

Aがはい、と俺に紙袋を手渡した。

『え？』

｢私が颯太の誕生日忘れるわけないでしょ？｣

『……えぇ、本当に俺。今、忘れられてるんだってショックだったのに。』

｢顔に出すぎて思わず笑いそうだった。颯太、誕生日おめでとう。｣

『ありがとう。開けてもいい？』

｢もちろん。｣

Aがくれた袋を開けるとリュックとTシャツが入っていた。

『え、こんなにいいの！』

｢誕生日と卒業祝い。大学入ってからちゃんと使ってよね。｣

『ありがとう！絶対使う！』

その時だった。

｢そーーた！！！誕生日おめでとう！！｣

ばん、とドアが開いたんだ。