6+∞でHiHi Jets Ⅶ (ページ5)

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実家に帰りますページ5

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side you

｢ただいまぁ｣

久しぶりの実家。
リビングへ顔を出せば足元に近付き、スリスリしてくる我が家の猫。

弟もバイト、妹もバイト、両親は仕事。
だーれもいないこの家はとてもデカすぎる。
ソファに腰かけぼーっとする。

その時だった。
携帯が着信を告げる。
相手は優斗。

｢はーい？｣
___お前今どこいんの？

｢え？家だけど。｣
___嘘だろ？今来たのに誰もいないんだけど。

｢…あ、実家帰ってきてる。｣
___はぁっ！？

｢うっさ…｣
___帰るなら帰るって言えよ！ほう！れん！そう！

優斗は耳元だということお構い無しに叫ぶ。
なんか言ってるけどうるさすぎて聞いてられない。

｢で、何よ。｣
___いや、実家ならいいわ。

｢いや何。気になる。｣
＿＿その、さ。信用してないわけじゃないんだけど。

なにやら言いにくそうにしている優斗。
普段なら言わなくてもいいこと言うくせに。

｢何。｣
＿＿あぁ！もう！ひとりにしておくの心配だったの！
何しでかすかわかんないから！それだけ！！

｢え。｣
＿＿実家なら安心だから帰る。じゃーな！

ぶち、と切れた電話。
私は放心状態。

心配？

私はやっと理解した。

今日からしばらく私はオフ。
それも最近まで仕事を詰めてたからだ。

確かに、少しだけ。
ほんの少しだけ。

頂いた役柄が凄く難しくて。
病んでたのも確かだし。

役でいる時は大丈夫だったけど。
クランクアップした昨日、家でひとりでいる時にふと役が抜けきらない時間。

役と私が混在する中で現実がわからなくなった。
家でひとり、というのがかなりキツくて。
マネージャーさんにだけ実家に帰ることを伝えて帰ってきた。

憑依型、なのかもしれないと気付いたのは最近で。
それをサラッと優斗には話した。

だからこそ、優斗は気にかけて家に来てくれたんだなとそう思った。

最高のシンメじゃん。

演技、というお仕事に関しては私より大先輩の優斗。
今回も塞ぎ込みがちになりかけてたとこに毎日時間があれば何も言わず近くにいてくれて。

助けられてんな、って改めて実感した。

熱くなりすぎる故に私が拒絶する事も多いけど…
懲りずにグイグイ来るところは優斗のいいとこ。

私は優斗に愛してる、とだけメッセージを送った。

すぐに6人のグループチャットへスクショを晒されたのは腑に落ちないけど。

そういうとこも全て優斗らしいなって思ったんだ。