6+∞でHiHi Jets Ⅶ (ページ31)

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秩父宮のコンサートを終えて、毎回レッスンに行くようになって。

次第に元木くんのことは湧、内村くんのことは颯太と呼ぶようになった。

その年の暮れ、紅白歌合戦のステージに呼ばれたのは私たち3人の中で湧だけだった。

その時の颯太のことを私は見ていられなかった。

そしてその時既に私は高校生になる4月から関西へ行くことも決まっていた。
それをまだ伝えることは出来なかったんだ。

年は明けて、すぐ受験シーズン。
大阪へ試験を受けに行き、帰ってきたタイミングでふたりに月から関西ジャニーズJrになる。ということを伝えた。

伝えてから一向にふたりからの反応がなくて。
裏切った、と思われてるのかな。
言わなきゃ良かったとも思った。
ふたりの顔色を伺っていれば湧が口を開く。

湧｢…俺たちはずっと仲間、だよな。｣

｢え？｣

湧｢大阪行っても仲間だよな？｣

｢当たり前だよ。｣

湧｢なら頑張れ。俺もこっちで頑張るから。｣

湧は目に涙を溜めながら笑った。
颯太はもう既に泣いてるけど永遠の別れじゃねぇぞ！と湧に慰められている。

その日から私は大阪へ行く準備が始まり、次第にふたりとも会えなくなった。

結局のところ、何も伝えることは出来ないまま大阪に行くことになりがむしゃらに関ジュとしてステージをこなす日々。

気付けば1年半、入所日のメールをした時と誕生日以外ふたりとは疎遠になった。

風の噂でふたりの仕事が激減したことも知る。

だからこそ連絡は取れなくて、私ももう辞めようかと考え始めていた時だ。

2015年のもう冬が目前まで迫り来る日のこと。

ふたりが舞台に出演することが決まったと大阪のスタッフさんから聞いたんだ。

私は自分の事のように嬉しくて、それと同時にジャニーズを辞めて大学に行く。
そして裏方としてこの事務所に戻ってこよう、そう考え始めたんだ。

そこからかな。
私が変わったの。

ジャニーさんからHiHiへ加入することを伝えられ、私はジャニーズを続けることになる。

湧と颯太、活動の場は違えど同じ東京でジャニーズを続けることになった。