ネンレイのカベ (ページ33)

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猪｢っしゃァ！肉！飯！！｣

着いて行った先は個室焼肉屋。
5人を見る限り行きつけなんだろうなと感じる。

隣に座ったのは優斗。
さりげなく灰皿を私の方に置き、みんなと飲み物を決めていた。

優｢Aさんは？何飲むの？ビール？｣

｢いや、高校生いる場では飲まないから。烏龍茶でいいよ。｣

優｢煙草は遠慮なく吸っていいですからね。｣

｢いや、煙草もね。さすがにその他全員未成年の場では吸わないから。最近減煙してるし。｣

私たちの会話に着いてこれていないメンバーたち。

作｢Aさん、煙草吸うんですか？｣

涼｢絶対かっこいいじゃん…。俺らも気にしないから吸っていいですよ。｣

｢吸いたくなったら外いくから。ほら、明日も公演あるんだし食べよう。｣

未成年の前、しかも食事の場。さすがに煙草は吸えないし、私は基本的にひとりの時にしか吸わないからこそ気を遣わせてしまっているようで申し訳なさが感じる。

猪狩くんを筆頭にみんなが食べたいものを頼み、あっという間にテーブルはお肉でいっぱいになる。

今日から千穐楽まで気を抜かず、走りきろうという優斗の言葉で乾杯をした。

そこからは他愛のない話、主に私への質問攻めではあったがHiHiのみんなと普通に話せるようになれた。

あんなに盛りだくさんなお肉たちも育ち盛りの男の子5人の前に並んでしまえばあっという間に消え、私は圧倒されていた。

そこからは全員、方向が違うため駅で解散となり、私は電車に揺られ家へと帰りながら1か月前と全然違う生活に慣れ始めていることを痛感する。

なんの取り柄もない大学生がこうしてジャニーズJrと共に仕事をしている。大学で学ぶことはただの勉強で頭にすら入っていたのかわからなかったのに実際の現場に出てスタッフさんたちを見ていると日々刺激的でわくわくする。

仲良くなった後輩がジャニーズJrで、弟もジャニーズJrで、正直こんな偶然が重なることがあるのかと思うと驚きを隠せないがまだまだ私には学ぶことがある。

まずは目の前のHiHi Jets単独公演。

満足する形で終えられるように今日も早く休もう。

自動改札を抜け、心無しか早歩きで家へと帰った。