ネンレイのカベ (ページ18)

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車を走らせること10分。
目的地の駅に着いた。

｢秀、2人と連絡は？｣

秀｢もう着いてるって。どこだろ。｣

車内からキョロキョロと外を見回す3人。

颯｢あ！いたよ！｣

カーウィンドウを開けておーいと叫ぶ颯太。
それに気付いたかのように走ってくる2人。

平｢Aちゃんが迎えきてくれたの？すみません、ありがとう。｣

黒｢夜遅いのにありがとうございます。｣

車に近付くなり、お礼が言えるこの子達。
うん、まだ可愛いな。

黒｢え、待って俺後ろ座れるとこない！｣

安嶋家の車はプリウスαで一応7人乗りではあるが男子高校生が3人詰めて乗るには確かにスペースが狭い。

秀｢黒ちゃんごめん、助手席乗って。｣

黒｢え、あ、わかった！｣

本当は俺行きたいけどうっちーが邪魔で動けないと秀がいうから私は助手席に置いていた鞄を秀に渡した。

｢全員シートベルトしたね？じゃー、ドンキ行くよー。｣

はーい！と車内に響き渡る声。
夜のドンキってワクワクするな！と普段はこの時間に出歩けないからこそいつもと違う体験を楽しんでるみんな。

楽しそうだし、少し遠いドンキでも行くか。

ドライブ気分で車を走らせる。

秀｢Aちゃん、なんか聴きたい～。｣

音楽流してーと後ろから叫ぶ秀。
運転してんだよ、こっちは……

｢はいはい。わかったよ。｣

Bluetoothで繋いでいる携帯を光輝に渡し、適当に流してと頼む。

黒｢え、あ、俺でいいんですか？｣

｢運転手のサポートは助手席の仕事ね。YouTubeでも音楽アプリでも好きなの使って。｣

遠慮気味に携帯をいじり出す光輝はYouTubeで自分たちの少クラ再生リストを見つけて流し始めた。

車内は俗に言う3150組のステージに早変わりしたのだ。