出逢い ページ1
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『そろそろ就活準備始めろよ』
大学の同期に言われたこの一言。
成績普通より上、頑張らなくてもなんとかなる、なんなら今まで勉強だけなら楽をしてきた。
大学をここに決めたのも家から近くて普通の総合大学より面白そうだし、偏差値低いから楽そう。
これだけで決めた。
「就活就活みんなうるさいなぁ〜、まだ3年になる手前なのに。自由にさせろって。」
ぼそっと呟いたこの一言は春一番の風にかき消された。
普通に高校を卒業して
普通に大学に入学をして
普通に就活をして
普通に就職する
普通に仕事して
普通に結婚をして
普通の家庭を築く
これだけのために何百万もの学費を払ってきた私。
芸能関連って面白そうだけで選んだこの大学はやる気がわかないくらい張り合いもなければみんななあなあに生きてる。
それはそうだ、実際名前勝ちのこのご時世。
就活しようにもこの3年間ぼーっと当たり障りなく生きてきたやつに社会は目もくれない。
周りの女の子は恋だの愛だの、おたくだの。
キラキラする何かを持ってる。
「来年のこの時期は何してんだろ、私」
「Aさん?まーーたすか!」
自分には何も無いなぁ、と大学の喫煙所でタバコをふかしていた私に声をかけた後輩の男の子。
「これが私の生きがいなの。珍しいじゃん、この時間にいるの。
_______優斗」
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作者名:くれいじー。 | 作成日時:2020年4月23日 2時