夢のあと（完結）

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翔平目線









ベンチからAに渡した座席の辺りを探したけど、それらしい人はいなくて。






後から来るのかな、なんてぼんやり考えて、試合に気持ちを切り替えた。









「先発ピッチャー、大谷翔平！！！！」







マウンドに向かうとき、もう一度確認すると、







・






ああ、いた。








なんだかそれだけで、やっぱり安心して、









大「ふう、」









僕のあげたユニを着て真剣なまなざしで見ているAに
かっこいい姿を見せたいと思うのは自然なことだろう。









・









勝って、笑顔でAに会うはずだったのに、









交代してベンチからチームを応援する。









意識がふいにAの方に向けられて。









最初は少し席を外していただけかと思っていたけど、









(やっぱり帰ったのかな)









その日は負けもつくし、なんだか冴えない日だった。









それでも、そんなかっこう悪い日でもAに会いたいと思うのは惚れた弱みというか。








いつもより長いミーティングが終わり、電話帳からAの名前をタップする。









プルル…プルル…









いつもなら、試合が終わったあとだいたい連絡がつくようにしてくれてるから繋がるのに、今日はなかなか出ない。






やっぱり夜も遅いし、行かない方がいいかな。









いつも自分の都合で会っていたので、すこし気を使った方がいいかもしれないと思った。








職員「あれ、今日は外泊しないの？」







大「はい、」








・







(だけど嫌な予感もしてた)









・

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