夢のあと（完結）

２５ ページ26

・









そうと決めてからの行動は早く大学院に休学の手続きを取りに行った。









部屋は翔平と会ってなかった２か月の間にちょくちょくと実家に送り始め






遠征のあと、疲れているのにも関わらず
お兄ちゃんとかなおくんが手伝ってくれたから順調に引っ越しが終わった。







お母さんとお父さんに最初にこの子を産むっていったとき、
父親のことを教えられないといったときの顔がまだ頭の中で消えない。






(そりゃそうだよね)









だけど、これから二人で生きていくって決めたから。






母親になると強くなるってよく言うけど、私は強くならないといけないからなってしまうんだと思う。









・








部屋の引き渡しのチェックを一人待つ






「ふう、」








もうこの部屋も見納めか、と思うと、








ついいろんなことを思い出してしまう。







・









翔平がこの家に通い始めたのは４か月前だけど、









それ以上の濃ゆい思い出が詰まっている。









翔平の大きさには合わなかったベット









(大丈夫とか言ってたけど、丸まって寝ている姿は可愛かったなあ)









翔平用のマグカップがあった棚









(気づいたらお揃いを買って置いてあった)









よくプレーを見直してたソファ









(お互い何もしゃべらなかったけど、それでもよかった)









ここにいると、どんどん気持ちが蘇ってきてしまう。









視界がぼやけてきて、これで泣いてしまったら、









折角ここまで我慢してきたものが、抑えられなくなりそうで、









「…じゃあね、」









・









(この部屋と、翔平との思い出)





・

２６→←２４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す