167:悪友 ページ2
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「A、樫村さんに挨拶へ行ったら、別室用意してもらったからで休んでるか?
コクーンのゲームが始まるまで1時間以上あるみたいだしどうする?」
『そうしようかな。久しぶりにメイクや髪型セットしたから少し疲れちゃった』
「.......部屋行ったらAの撮影会していい?」
『また新一に送るの?』
「それもあるけどー.......俺用に?」
『気持ち悪』
「うっせーぞー」
久々に気持ち悪いと思ったごめんね西山さん褒めてるんだよ!
瞳の色に合わせたダークブルーで、所々にレース生地があるハイウエストのパーティードレスを用意してもらった。可愛い。
スケッチブックは邪魔になるので、手のひらに文字を書いて話している。西山さん、書かなくても伝わりそうだよね。それもそれで怖いけどさ。
薄暗い部屋へと通されて扉をノックして中に入ると、一面大きな水槽になっていて、魚たちが泳いでいた。
機械やパソコンもたくさん置いてある。コクーン開発の主任と言うだけあるなあ。すごい。
「貴方は.......工藤の娘さんのAさん?
声.......の方はどうですか?」
「声は今もまだ出ません。
ですが病院に篭っているだけでなく、一度違う刺激を受けた方がいいと医者からも言われまして、参加をさせていただくことなりました。
この度は、コクーンの開発おめでとうございます。」
「(おめでとうございます)」
ぺこりと西山さんと一礼をした。
.......この人が、父さんの悪友か。全然見えないなあ。
「Aのために控え室も用意して頂き、本当にありがとうございます」
「いえいえ、工藤.......Aさんのお父さんに怒られてしまうので、これくらい大丈夫ですよ」
「『父がすみません』と、Aが」
「別の頼み事もしていたのでね、少しでもお役に立てるなら」
別の頼み事.......?コクーン以外にも何か頼んでたのかな
少し談笑した後、樫村さんがこの後別の人に会う予定があるらしくお開きになった。
そして、控え室でコクーンへの搭乗開始のアナウンスを待っていた。
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作者名:*Sumomo* | 作成日時:2020年5月8日 9時