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「あてッ」
「我慢してください。」
「うわ、ざっくりいってる〜…」
寮の自室に戻り、綿に染み込ませた消毒液をピンセットで頭に当てられた。
触ったらジェイド達も痙攣とか過呼吸になってしまうから消毒は自分でやる、と断ったのだが、無言で消毒液を用意し出して始められてしまった。
…何と言うか、2人共あまり顔に出してないけど…。
「…怒ってる?」
「………いえ、…怒ってはいませんよ。」
「…怒ってる、つーか…」
いつもと違い、覇気の無い面持ちで下を向く2人。
「……何?」
俺は何かしてしまっただろうか?
ジェイドのテラリウムを壊したとか?
フロイドの靴に傷を付けたとか?
いや、どちらも全く身に覚えが無いのだが。
2人が下を向いたまま、たっぷり時間が経った後、ジェイドが口を開いた。
「…自分を安易に傷付けるのは、やめてください。」
___今にも消え入りそうな声でそう言われた時、頭を思いっきり殴られたような衝撃が走った。
2人は自分のために悲しんでいるんじゃない。
俺の為に悲しんでいるんだ。
フロイドに至っては口を真一文字に結んで、痛みに耐えるような顔をしている。
俺は、自分ばっかりだ。
……そう気付いた途端、頭の傷の痛みが一気に増したような気がした。
「……ごめん」
小さく鼻を啜った時、消毒液の匂いがツンと鼻を突いた。
「…いいよ、Aお疲れ」
「アイツらは絞めておきましたし、今日はゆっくり休んでください」
***
おまけ (フロイドside)
Aってさ、ホント馬鹿だよねぇ。
平気で無茶とかするし、自分の事は二の次だし。
前だって血だらけになって帰ってきたこともあったからね!?
その時は確か、オレの帽子が風に飛ばされてオレでも届かない木に引っ掛かって、めんどくさくて取るのは諦めたんだけど、Aは諦めないで木によじ登って取ったらしいんだけど。
帽子取った瞬間に木から落ちたらしくって、色んな枝に引っ掻かれた痕とか、ぶつけた痕とがでもう血だらけだった。
でもその後発した言葉が、「帽子は無事だったよ」だったんだよ。
あは、間違いなく頭ぶっ飛んでるでしょ?
あの時、本当に肝を冷やしたけど、Aは頭に?マークを浮かべてにこにこしてて。
Aは無茶ばっかりするお人好しだけど、オレはそんな所が大好きで。
「………Aの馬鹿。早く治れよ…。」
すやすやとこっちの気持ちも知らずに寝てるAの頬をこっそりつねってやった。
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ヴィンセント・ヴァンクール - ン〜〜好きッ(o^^o)尊い…これからもオクタの3人とお幸せに…///もう本当に大好きです。続きが欲しいくらいです。頑張ってください!応援してます!! (8月2日 20時) (レス) @page38 id: a3d5b84e3e (このIDを非表示/違反報告)
シアン - オクタ・・・・・・・・・・・・・・・・ワイも推しやで仲間よ。 (2022年9月24日 22時) (レス) @page5 id: 215c26ef03 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 〈〈〈〈〈〈〈〈〈好き〉〉〉〉〉〉〉〉〉 (2021年2月6日 9時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
えびのおすし(プロフ) - 成瀬たこたさん» ありがとうございます! (2021年1月20日 22時) (レス) id: 898286a51e (このIDを非表示/違反報告)
成瀬たこた(プロフ) - えびのおすしさん» 気長に待っております(*^^*)ご多忙ではなくなった頃にでもリクエストさせてください(^▽^) (2021年1月18日 12時) (レス) id: 62fa3d4859 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えびのおすし | 作成日時:2020年12月20日 17時