小さな点と点は今繋がり円になる４ (ページ10)

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『私も紫耀の彼女になりたいって思ってる』

勇太「だったらなんで伝えないの？伝えればすぐにでもなれるんじゃないの？」

『…………』

勇太「怖い？」

『分からない…たまに私も思うの。私って紫耀の彼女じゃないんだよねって』

勇太「俺の事も1人のオトコとして見てよ」

悲しげな顔でそう言う勇太を直視出来なかった。

勇太「Aが好き」

『ありがとう。…でも、私は紫耀じゃなきゃダメなの。勇太とは付き合えない。これから先、もし紫耀と上手くいかなくなっても…それでも勇太とは付き合えない。』

勇太の気持ちはとても嬉しいし、私も人として勇太の事が好きだ。

だけど財前さんのことを思い出すとここでハッキリ断っておかないといけないと思い、少し強く言った。

膝枕してもらったり、ジャケットを貸してくれたりこんなに優しくしてもらってるのに勇太の求めている返事が出来なくて心苦しかったけど、これでいいんだ。

『ごめん…』

勇太「俺もさ、軽いノリで好きになった訳じゃないからそんな簡単に諦めつかないけど一旦振られたって事でいいんだよね？(笑)」

『そんな聞き方はずるいよ…』

勇太「ふはっごめんごめん(笑)」

きっと勇太は、今後の事を考えてわざと笑って振舞ってくれたんだと思う。

そんな勇太に私は謝ることしかできなかった。

勇太「外、真っ暗んなっちゃったね」

『………ね』

あれからまた時間が経ち、気まずかった空気を破ってくれた。

『……ｸｼｭﾝｯ』

勇太「大丈夫？寒い？」

『ん…なんか寒い』

勇太「ちょ、すごい熱あるよっどうしよ」

『え、？』

雨で気温が下がったから寒気がするのかと思っていたけど、勇太に額を触れて高熱がある事に気が付いた。

女の子の日でお腹も痛いし身体もだるくて意識が朦朧としてきた。

勇太「Aっ？ちょ、大丈夫？A？」

私を呼ぶ勇太の声が段々遠のいていった。

エレベーターが止まってから軽く2～3時間が経ち、やっと電気が復旧してエレベーター内に明かりが宿った。

勇太「すいません、ずっと閉じ込められてるんですけどエレベーター動きますか？女性が高熱で倒れてます、急いで下さい！」

復旧したと同時に、勇太は呼出ボタンを押して助けを求めた。

勇太「A？もうすぐ出られるからな、もう少し我慢できる？」

『……勇太、ありがとう』

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