小さな点と点は今繋がり円になる４ (ページ13)

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- Yuta.J side -

やっと電気が復旧して真っ暗だったエレベーターに明かりが宿った。

眠っているAを膝からゆっくり降ろし、呼出ボタンで助けを求めた。

すぐに助けが来てくれるみたいで、目を覚ましたAにそう伝えると優しく微笑んでくれた。

『ごめん、寝ちゃってたね…』

勇太「ううん、大丈夫だよ。お腹の調子はどう？」

『今は大丈夫。でもごめん、ちょっと自分で起き上がれないや…手借りてもいい？』

勇太「うん、はい。」

弱っているAの手を取り座らせて背中を支えてあげた。

相当弱ってるな…。

こんなA初めて見た。

勇太「あ、携帯繋がるようになってる」

『今何時…？』

勇太「もう22時過ぎだって(笑)」

『やば…(笑)撮影、間に合わなかったね』

勇太「ははっこんな時まで仕事脳かよ(笑)」

こんな状況になっても仕事の事を気にしているAがたまらなく愛おしくなって座っているAを優しく抱き締めた。

『…勇太は体調大丈夫？』

勇太「ん、俺は大丈夫だよ」

『そんな近くに居ると移っちゃうよ』

勇太「3時間もこの空間に居るんだからもう距離なんか意味無いでしょ(笑)」

弱ってるAが抵抗出来ないことを分かって抱き締めた俺は卑怯だ。

こんな時でさえ俺のものにしたいと思ってしまう。

ついさっき振られたばっかりのくせに。

それから業者の人が来て、なんとか無事に脱出することが出来た。

Aは今にも倒れそうな程顔を赤くして苦しそうだったからこのまま病院に連れて行こうと思い救急車を呼ぼうとしたけど、Aに止められた。、

『一晩寝れば大丈夫だから、心配しないで？…ね？』

勇太「でも…」

『今日は他にももっと救急車を必要としてる人がたくさん居ると思うし』

無理して微笑むAに俺は頷く事しか出来なかった。

そんなAに俺のジャケットを羽織らせ、肩を抱いて建物を出るとなぜかビショ濡れになっている紫耀が駆け寄ってきた。

紫耀「Aっ！！！」

勇太「紫耀…」

『え…？なんで、紫耀が？』

紫耀「なんでとかそんなのどうでもいいから！大丈夫なのかよ」

『ん、大丈夫だよ』

紫耀「高熱って…うわっあっつ。マジの高熱じゃん。早くうちに帰ろ、」

紫耀は俺からAを引き離して腰に手を回し、俺に「ありがとな」と一言残して去って行った。

やっぱ紫耀には敵わないな。

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