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海斗が学校でモテていることは勿論知っていた
告白されても必ず断る海斗の事だから
油断してたんだ、
「どうしよう」
自分の部屋に行くには
リビングを通らなければいけない
「よし、」
リビングのドアを開ける
「えっ、」
私は今なにを見せられているのだろう
テーブルとソファーの間に見える男女
男は寝転がり、女は馬乗りになっている
2人のシルエットが重なっていく
その男はどう考えても海斗で
心拍数が上がるのが自分でもわかった
ｶﾞﾀﾝｯ
やばい、カバンをつい手放してしまった
女がこちらに振り返る
「あっ、ごめんなさい」
宮「っ、Aお、おかえり」
なに、その顔
その困り顔はなんなの？
もう自分にも海斗にも腹が立ってしまう
ねえ、海斗はその女が好きなの？
考えるのもしんどい、涙が溢れかける
宮「あっ、A」
ごめんね。
今海斗の顔みたらもう涙は止まらなくなっちゃう
好きが溢れちゃう
私は階段を駆け上がった
部屋に入った瞬間
気持ちに比例するかのようにとめどなく涙が流れる
好きなんだよ、海斗
もっと普通に出会いたかったっ！
血の繋がりなんて要らなかった、！
苦しいよ、辛いよ、
もう嫌だな…忘れたい
それでもこの気持ちとサヨナラするなんて
そんな簡単にできないよ、
海斗と、両思いになりたかった。
泣き止まないと、目が腫れちゃう
止まれ、止まれ！！
「なんでよ、止まってよ」
こんなに近くに居るのに
なぜ、こんなにも遠く感じてしまうの？
もう恋なんてしたくない。
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作者名：紅 孔 雀 | 作成日時：2020年8月4日 1時
