GD short story's Ⅲ (ページ49)

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Fin ページ49

今日はAをあの場所に連れていくんだ

そう決めていた

君はどこか危なっかしくて

簡単に釣られちゃうような部分があるから

ただの彼氏彼女じゃ駄目なんだ

君を俺のだと示しておかなきゃ

いつの間にか君は

俺との約束を破ってしまいそうだから

このベンチ覚えているかな

君の表情を伺うけど

　
君は何ら変わらない

『ここ覚えてる？』

静寂を切り裂いて

少し震える声を隠すように咳払いをする

懐かしいねぇ

なんて言ってるけどあの日の約束は覚えてる？

『俺との約束覚えてる？』

あれだけ覚えていないと思っていたけど

君が目を丸くして涙目になっていたから

俺は嬉しくて今すぐ君を抱き締めてしまいそう

『今から昔の約束の約束をしたいんだけど良いかな？』

涙を堪えている君は

頷くことしか出来ないみたい

君の返事を受け取って

俺は君の前に片膝をついた

君の綺麗な左手に触れて

君の細い薬指を見て

サイズが合うか不安になりながら

君が見ている前で少し震えそうな手を抑えて

君の手に指輪を通す

『婚約指輪』

『これから俺と一緒に住もう』

『俺と結婚することを約束してくれる？』

「絶対破らないから........」

泣きながら言う君にもう我慢の限界で

抱き締めてしまう

小さい頃は出来なかったのにな

手を繋いで俺とAの家に帰る

あの頃の約束

"僕が大人になってAちゃんと一緒のお家になったら僕と結婚して"

"ジヨンくんが指輪くれるならしてあげる"

約束ね

Fin