8 ページ9
.
｢ふな゛〜〜〜〜！！！！｣
｢おっと危ない、それ！！！｣
グリムがまたまた炎を出した。
それにエースが風の魔法とやらを出して反撃をする。
…コイツら、魔法がなかったらただの口が達者な馬鹿野郎じゃんね。
僕も人のこと言えないけど。
嘲笑うように喧嘩を見ていたら、辺りからじゃじゃ馬が集まってきた。
皆好戦的だ。
あはは、馬鹿じゃないの
こういうのは黙ってみるから面白いんだよ。
｢そんなへろへろ火の玉当たるかってーの｣
｢なんだと！覚悟するんだゾ！！｣
ヤバい、おもしろ。
二人とも漫才でもしたらどうなの。
｢くらえ！！！！｣
｢そんなん風で矛先を変えてやれば…そらっ！｣
エースが風で追いやった炎はハートの女王という像へと真っ逆さま。
像は丸焦げになっていた。
生意気な顔が黒くなって結構いい。
このまま飾ったら…？
にまにましながら像を見ていると、エースが焦ったように叫んだ。
｢あ゛ーっ！やべ！ハートの女王の石像が黒焦げに！｣
｢オマエが風で炎の向きを変えるからだゾ！大人しく燃やされろっ！｣
｢そう言われて燃やされる奴がいるかっての！｣
そう言い合いをしていると
｢こらーっ！！！何の騒ぎです！｣
カラスが来た。
二人とも今度こそ終わった、というような表情をしている。
可哀相に、哀れだ哀れ。
現に、僕の目の前で｢アイノムチ｣とやらで叩かれている。
｢ふっ、ふふ、くっ…｣
ヤバい、笑いが抑えられない。
自業自得だ馬鹿め。
｢グレート・セブンの石像を黒焦げにするなんて！
よほど退学をしたいと見えます。」
「くっ…やば…っ、ふっくくっ」
あんだけ煽ってきたのに、退学宣言されそうになってるとか…。
｢君、学年と名前は？｣
カラスがエースに問う。
入学初日に退学って…、雑用係の僕よりも恥じゃん。
｢エース・トラッポラ……一年生デス｣
エースが学年と名前を言うとカラスが口を開く。
エースの退学宣言か。
ニヤニヤする僕にカラスは言った。
｢三人には罰として窓拭き掃除100枚の刑を命じます！｣
｢…は…？｣
え、僕関係ないんだけど。
｢監督生さんは関係がないにしても煽った罪です！｣
｢はぁ？｣
…だる。
………やんないからね。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 339人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おきじゅ | 作成日時：2023年4月27日 17時
