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｢なぁなぁ、このライオンは？｣
｢これはサバンナを支配した百獣の王｣
…また説明タイムが始まった。
暇なので像の顔という顔を見る。
美人な奴とか太ってる奴とか。
千差万別。
可哀相に。
恵まれなかった容姿で生まれるのは辛いでしょ。
ま、僕は整ってる方だから気持ちわかんないけど。
はっ、と眉を下げながら像に笑ってやる。
その時
｢…どっかの狸とは違って｣
エース…という者が煽るようにグリムに言った。
さっきまで感じのいい青年だったのに豹変、おもしろ。
｢…だってよ、狸。
狸はのろまで青い炎しか出せないもんね。
魔法の使えない僕に怯えてるし、あーかわいそ｣
エースの煽りにのる。
うわ、たのし。
エースは面食らった様な顔をし、言いかけていた言葉を飲み込んだ。
大方昨日の出来事だろう。
｢…まぁ魔法は使えない奴は面白いからいいとして
お呼びじゃないのに乱入してきたモンスター｣
｢くっ…｣
思わず口を抑えて笑う。
なにコイツ…煽り耐性強すぎでしょ…。
｢なぬっ？！し、失礼な奴なんだゾ！｣
｢狸、本当なんだから仕方ないよ｣
｢ははっ、お前もだぜ、魔法使えない奴。
で、結局入学できずに２人して雑用係になったわけ？だっせー｣
｢…は？｣
前言撤回。
コイツ…。
それに雑用係？話聞いてないんだけど…。
…聞き流しただけか。
…それにしても……
くそムカつく。
｢しかもグレート・セブンも知らないなんてどんだけ世間知らずなんだよ｣
…
｢は？なに？知ってて欲しかったわけ？｣
｢…なに、お前｣
｢急にこんな変な世界に連れて来られて知るわけないよね。
逆にそんな変な雑学知れって言われても無理なんだけど｣
｢…｣
｢あれ？お口は？煽りは？所詮その程度の煽り文句だったの？え？｣
｢…ちげーし、｣
｢なんでそっぽ向くわけ？｣
｢…なんか、昔、っていうかどっかで…懐かしい感じしただけ｣
…意味わかんない。
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作者名：おきじゅ | 作成日時：2023年4月27日 17時
