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「鏡の間」というところへ着いた。
扉から様々な声が聞こえてくる。
「職務放棄…」
「腹でも痛めたんじゃないか？」
「違いますよ！！！」
カラスが扉を開け、僕たちは中に入った。
「あ、来た」
「まったくもう、新入生が一人足りないので探しに行ってたんです」
「違うって。
カラスって頭いいって聞いたけど馬鹿なの？」
にカラスに背中を押され大きな鏡の前へ連れていかれる。
「さ、寮分けを」
「アンタ耳ある？」
ふつふつと怒りが沸いてきた僕にある声がかかった。
「汝の名を告げよ」
「……A…」
「汝の魂の形は…
…………
分からぬ」
「なんですって？」
「この者からは一切の魔力の波長を感じない。
色も、形も、一切の無である。
よってどの寮にもふさわしくない！」
辺りがざわめく。
「だったらその席、オレ様に譲るんだゾ！」
「…はぁ？」
先程までカラスの手によって口を抑えられていた狸。
「そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ！
だから代わりにオレ様を学校に入れろ！
魔法なら今とびっきりのを見せてやるんだゾ！」
ああ、イラつく。
話を聞かない馬鹿カラスにオレ様基質な狸…。
眉間にしわがよってきたころ、誰かが叫んだ。
「皆伏せて！！」
「ん゛ な゛〜〜〜〜！！！！」
…また青い炎。
あれ、コイツの仕業だったのか。
というか、コイツ以外に誰がいるんだ。
辺りを見ると、尻に火がついたらしい男がいた。
かわいそ。
それにしても熱い。
炎のせいか。
イラついてきた。
「このままでは学園が火の海です！」
カラスが叫ぶ。
どうでもいいけど熱いから炎出すのやめてほしいんだよね。
足を一歩ずつ前に出す。
「誰かあの狸を…」
「あのさ、狸」
「ふな゛？！」
「ウザい。やるなら他のところでやって。
僕がいないところで。僕以外の奴らはどーだっていいけど」
「ふな…なんかコイツ…」
「わかったらさっさとどっか去れよくそ野郎」
「ふ、ふなぁぁぁぁああ！！」
涙を流しながら去る狸。
いつのまにか炎も消えていた。
「す、すごいですね、貴方…
私はこの学園の理事長、ディア・クロウリーと申します」
いやもう自己紹介とかいいから。
早く帰らせてよ。
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作者名：おきじゅ | 作成日時：2023年4月27日 17時
