18 ページ19
.
ハリネズミがくしゃみをした等意味が分からない事を告げた挙げ句、
僕を置いて、エースとスペードくんだけを帰らせようとする目の前の赤毛チビ。
いや、僕も結構なチビだけど…、コイツよりも多分チビだけど…。
まぁどうでもいい。
｢僕達どうやって帰ればいいわけ？｣
｢……キミたちも空間転移魔法で送ろう｣
｢…ふーん、ねぇ、僕疲れた、もう立ちたくない、誰かおぶってよ｣
舌打ちを出したくなる気分を抑える。
本当に意味がわからない。
なんで僕は何もしてないのに、こんなに疲れて、
挙げ句協力もしてあげて…。
だるいし、抱っこされなきゃ対等じゃないでしょ。
｢……なんなんだ…？この我が儘な奴は…｣
苛立ちを隠さずに赤毛チビは言う。
｢記憶のどこかで冷酷とは言われた事あるけど我が儘は初めて。
ていうかもう喋りたくもない、おぶって、変な癖が出るから｣
｢変な癖…？それってなんだよ？｣
エースが僕に質問する。
絶対に言わない。
知れたら僕の弱点になるし、
｢ほんの数分立っておくだけだろう？空間転移だ、すぐに学園につく｣
｢数分でも僕は色んな意味で命取りなわけ、君は知らないだろうけど。
チビが偉そうにしないでくれる？｣
｢うぎ…｣
変な声をあげそうになった赤毛チビの前に緑色に近い髪色をした男性が立った。
｢…ま、まぁまぁ、リドル。ほら、俺がおぶってやろう｣
緑の人が背中を見せしゃがんだので迷わず乗る。
乗った瞬間ドッと疲労感が広がり、"あの癖"を逃れるのは不可能か、と思い、目をつぶった。
それならもう僕のヤバい癖で暴れてやろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 339人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おきじゅ | 作成日時：2023年4月27日 17時
