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｢デュースさぁ、なにしてんの？自分大事にしなよ。｣
自分が一番、自分が二番、自分が三番ーー他人なんか一桁以内には入らない。
ていうか僕、思ってることと今の行動が真逆。
デュース助けてるし。
バケモノは無事エース達の方へ。
先程エースが風の魔法でバケモノの攻撃を避けていた。
｢…あ、言っとくけど肩組まないから。今の君、汚いし｣
自分で立てよ、という目線を送り歩きだそうとした瞬間。
奥にキラキラと光り輝く一つの石が見えた。
｢なにあれ…魔法石？｣
｢本当だ！！早く…｣
｢は？馬鹿じゃないの？一旦エース達の所行くよ、僕疲れた｣
それでも魔法石の元へ行こうとするスペードくんをベシンと叩く。
そのまま置いて行っても良かったがそれは流石に、と思ったのでデュースを担ぐ。
もうやだ。
疲れた、帰りたい。
あんまり体力ないのに。
｢こんの馬鹿デュース！！
ただ突っ込むとか無謀すぎんだよ！！｣
｢しかもちょっとキャラ変わってた気がするんだゾ｣
｢すまない…少し取り乱した。
でも魔法石はあったんだ、あのモンスターさえなんとかできれば…｣
｢あんなバケモノ相手にどうすんだよ｣
無言で会話を見続ける。
コイツラ馬鹿なんじゃないの。
｢仲間と協力して勝つっていう選択肢はないわけ？｣
そう言うと眉をあげるエースとデュース。
狸は僕の膝の上にいるからよく表情がわかんない。
勝手に乗ってきたから、この馬鹿狸。
｢この突っ走り真面目くんと協力しろってこと？
絶対やだね｣
｢俺だってごめんだ｣
｢………倒す気ないならここで解散ね。
僕は帰るから、お前らここで退学宣言待っとけば？｣
｢入学初日で退学…ダセーんだゾ｣
協力とか…基礎中の基礎。
それができないならそのままお先真っ暗な社会に足を踏み出せずに悶々としときゃいいんだよ。
ま、僕はしたことないけど。
立ち上がろうとするとエースが僕の腕を掴んだ。
｢わぁったよ！！！！やればいいんでしょ！やれば！｣
｢退学はイヤだ…！｣
…何なのコイツら。
ていうか僕的にはこのまま解散の方がよかったんだけど。
あーもうどうでもいい。
｢……はぁ……んじゃあ僕はただ劣りになるだけだから、そこからグリムが走って洞窟から出て。
それから先、全部君らの独断でいいからさ｣
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作者名：おきじゅ | 作成日時：2023年4月27日 17時
