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小学生のとき、








永瀬「北海道から来ました、永瀬廉です。」







初めて会ったときは、何か不機嫌そうな顔してるし怖そうだなって思った。


だけど違ったの。









男子「みろよ!!こいつヤッターマンのレアシール持ってんぞ!!!!!」

「や、やだっ!返してよぉ、…」

男子「やーーい!お前がこのレアシール持つなんて100年早えんだよ!!!」




ビリッ




永瀬「!」

「あっ、…」

男子「やっべ、」

「……う、うわぁぁーーん!!!!!」

男子「おいっ、逃げんぞ!」

男子「先生に言うなよお前!!!」

永瀬「逃げるんや〜かっこわるぅ〜!」

男子「なっ、!」









その時、今まで黙って見ていた廉くんが、初めて口を開いた。








永瀬「てか、男数人が女の子1人いじめるとかしょーもな。」

男子「なっ、なんだよお前!」

永瀬「あ、もしかしてお前、こいつのこと好きなんとちゃう?絶対そうや!好きな子ほどいじめたくなるってやつやんな!」

男子「…〜っ!!」

永瀬「え、図星?」

男子「おっ、覚えとけよ!!」

永瀬「はっ、なんやあの捨て台詞。」








そのとき初めて見た廉くんの横顔は、小学生ながらも綺麗だと思った。








「あ、ありがとう、永瀬くん。」

永瀬「お前もお前やろ」

「え?」

永瀬「あーんなしょうもないやつ相手にせんかったらええのに。ヤッターマンシールくらい無くても困らんやろ」

「そんなっ!!あれすっごい集めるの大変だったんだから!」







そう言ってビリッとちぎれたシールの断片を揃える。









永瀬「…」

「あーあ。」

永瀬「それ、俺の弟も集めとるわ。1枚くらいあげんで」

「えっ、そんな!弟くんに悪いよ!」

永瀬「えーよ別に、アホやから気づかへんって」

「そ、そうなの、?」

永瀬「それよりさぁ、」







そう言って、小学生のくせに熟女もイチコロしそうな流し目で、こちらを見た。






「?」

永瀬「何かお前、ふわふわしてて危なっかしいわ」

「よく言われるよー」

永瀬「…おん、だからさぁ、」

「なあに?」

永瀬「…できるだけ離れんなよ、」

「ん?なんで?」

永瀬「あーーーっだる!!お前だっる!」

「えーー!なんでおこってるの!!」









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作者名:菜月 | 作成日時:2020年8月11日 18時

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