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コンサートが始まってデビュー曲である
シンデレラガールが流れる。
あぁ、私の大好きな岸くんだ。
小学生の頃に山田くんを好きになって
JUMPのコンサートを見に行った時に
バックで踊っていた岸くんに一目惚れして
そこからずっと追いかけてきた岸くん。
悲しい時もしんどい時も逃げ出したい時も
いつも勇気を与えてくれた岸くん。
“打って”と書いている団扇を見て
撃ってくれた岸くん。
駅でぶつかってキーケースを届けてくれた岸くん。
私のご飯を｢美味しい｣って食べてくれた岸くん。
岸くんを好きになって私の思い出の中には
いつも岸くんがいる。
今までの思い出が走馬灯のように
頭の中を駆け巡って
気づけば私は涙を流していた。
隣を見れば奈緒も静かに涙を流していて
素敵な友達に出会えたと思った。
それと同時にこの子に出会えたのも
岸くんを好きになったからなんだと思うと
また涙が溢れ出てきた。
･
コンサートも中盤に差し掛かり
いよいよファンサ曲。
あれからもずっと泣きっぱなしだった
私達の顔面は涙でぐっちゃぐちゃ。
そして、私はあの団扇を取り出した。
奈｢あんたその団扇持ってきたの？
新しく作ったやつは？｣
『持ってきたよ！
でもこれ、縁起物だからさ(笑)』
奈｢確かに縁起物だけども(笑)
んまぁ、いいや！
ほら、全力で叫ぶよ！｣
『うん！』
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作者名：Tao | 作成日時：2018年11月13日 18時
