切なさを抱きしめて…[Yuta.K]② (ページ9)

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複雑な気持ちを抱えたまま迎えた

コンサートツアー初日。

私は神宮寺担の友達と一緒に会場へ向かった。

『ドキドキするね。』

奈｢変に緊張する。

逃げずに見届けようね。｣

『もちろん、』

奈緒は上京してからできた友達。

価値観合うし一緒にいてすごく楽しい。

たまに喧嘩もするけど

なんでも話せる数少ないヲタ友だったりする。

でも、岸くんのことはもちろん話してない。

いや、“話せなかった”が正解だ。

奈｢どうした？｣

『ん、なにが？』

奈｢いや、全然楽しくなさそうだから。｣

『久しぶりの岸くんだから

緊張してるのかな…』

奈｢久しぶりの岸だからこそ楽しまなきゃ！

岸がこっちきたら私もアピるわ。

あいつAに気づかなかったらぶん殴る！｣

『私も神宮寺がきたらアピろ。

絶対奈緒にファンサさせてやる！』

奈｢うん、その調子！

久しぶりの現場、楽しもうね。｣

『うん！』

そんなことを話している間に

会場が暗くなって一気に歓声が上がった。

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